北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


川崎正紀(留萌・飲食業)*共に生きる

 「北海道へ移住したい」「留萌で起業したい」という方々と話をする機会があった。「どうしてここ?」と思うかもしれないが、いろいろな考え方がある。

 「北海道なら車から降りてすぐ鹿を撃てる」「地元の情報を発信しやすい」「おいしい海産物がある」など田舎暮らしなら当たり前な理由を言ってくる。

 そんな生易しいもんじゃないんだよ。しかし、彼ら彼女らはしっかり自分を持っている。コロナ下で当たり前になったテレワーク、リモートワーク、ウェブデザインなど、どこでもいつでも収入を得る仕事ができる。もちろん誰でもできるわけではないのだが。

 かくいう私も、今は「生まれも育ちも留萌です!」って顔をしているが、19年前に留萌に突然やってきた移住者である。

 Iターンだの、Uターンだのあるが、私の場合、故郷は同じ管内で近いものの、戻るまでいかない「Jターン」と言っている。同じ管内でも違う土地に移住するのはやっぱり度胸がいる。ましてや名前も聞いたことがない土地にやってくるのは相当な覚悟である。

 そして受け入れ側は「ぜひ来てください。支援と応援はします」と言う。でも実際にほしいのは、応援ではなく協力、そして共にここで生きていこうという共生の心ではないだろうか。

 ここ数年で働き方は大きく変わった。そういう生き方もまたありだろう。私はそういう方々に全力で協力していきたいし、共に生きていきたいと思う。
 
(2023年1月16日掲載)

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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