北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


立石淑恵(オホーツクミュージアムえさし学芸員)*オオワシ観察会

 日本で見られるワシ類で最大級の大きさのオオワシ。秋になると道東地方を中心に冬を過ごす渡り鳥としてやってきます。成鳥は大きな黄色いくちばしを持ち、全体の黒っぽい羽と肩や尾羽の白い羽とのコントラストが際立ちます。見た目の美しさから人気の高い野鳥です。

 オホーツクミュージアムえさしでは昨年12月初め、浜頓別町観光協会と共催でオオワシ観察会を5年ぶりに開きました。熱狂的ファンという子どもをはじめ、たくさんの方が参加して、オオワシを見て感動していました。頭上の低い位置を飛んでくるオオワシの姿に「おぉ~、すごい!」と思わず歓声があがるほど。雪がちらつく氷点下の寒さに耐えながら、大きさと美しさを存分に堪能することができました。

 道北地方でも、例年3月ごろまでオオワシが見られます。百羽近くが1カ所に集まることもあります。世界的に個体数は減少傾向で、希少なオオワシを実際に見て知るのはとても大切なことです。しかし、観察に夢中になって、よく見ようと近づきすぎ、オオワシにストレスを与えてしまうことがあります。豊かな自然を満喫しつつ、オオワシも人間も気持ちよく過ごせるよう、観察マナーに注意して、冬のバードウオッチングを楽しみましょう。

たていし・よしえ 神奈川県出身。弘前大大学院修士課程修了。生き物が好きで、大学ではチゴハヤブサを研究した。2020年から町立博物館「オホーツクミュージアムえさし」に勤務、21年4月に学芸員に就任。主に動植物など自然分野を担当する。35歳。

(2024年1月22日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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