北極星
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國枝保幸(市立稚内病院長)*能力
近代看護教育の母とされるナイチンゲールは「看護師を天職とする私たちには観察力が必要不可欠で、これ抜きにしてはどんなに献身的であろうと、看護師の役目は果たせない」と語っています。観察ができない者は看護師になるべきではない、とまで言っています。
能力の客観的な評価は音楽、絵画などの芸術ならできそうですが、他の分野では意外に難しいと感じます。
ナイチンゲールが言う観察の能力についていえば、私は比較的高いほうだと思っています。診察室で患者を見た瞬間に診断名が頭に浮かぶこともありました。
一方、現場の医師として一番忙しかったころ、週4日の外来診療と、もう1日の病棟回診を受け持ち、1カ月に千人ほどの患者と会っていたころは、顔と名前が一致するのはほんの一部で、ほとんど覚えていませんでした。それが当たり前だとも思っていました。
院長となり、会議や面談、大学医局へのあいさつ回りが増えて患者ではない人と多く会うようになってから気がついたのは、私は人の名前と顔を覚えるのが苦手だったということです。
初めてと思いあいさつしたら、「以前、あいさつしています」と言葉を返されることが多いのです。
自分の能力を知ることはなかなか難しく、他者による評価が有効なのかもしれません。
(2026年07月06日掲載)
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