北極星
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橋口里美(旭川道新エッセー教室受講生)*お誕生会
先日、誕生日を迎え、小学校低学年の頃のことを思い出した。
仲良くしている友達の「お誕生会」にお呼ばれすることがあった。友達の家の玄関を入ると、ぷ~んと揚げ物のいい香りがした。
子どもの頃のごちそうといえば「唐揚げ」だ。テーブルには、山盛りの唐揚げとオレンジジュース。友達の名前が書かれたチョコのプレートがのった真っ白いクリームのケーキ。みんながその子のために集まり、いつもの友達が、まるでお嬢様のようだった。
そんな夢のような時間を味わいたくて、母に何度もお願いした。食事の準備、プレゼントのお返しと、親の負担が大きかったことを小学生の当時はみじんも理解できなかった。しつこくお願いして、ようやく母が動いてくれた。
もちろん、わが家のテーブルにも唐揚げが山盛り。お気に入りのワンピースを着て、友達からの「おめでとう」の言葉と持ちきれないほどのプレゼント。みんなに「お返しの品」を渡して、お開きとなった。
友達を呼んでの誕生会は後にも先にも、あの時の1回のみ。一度経験したので満足したのか。思っていたものと違ったのか。今は分からない。
また一つ年を重ね、自分へのお祝いに唐揚げを作った。もう、たくさんは食べられなくなった。
(2026年6月8日掲載)
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