北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


奥田修一(中富良野・北海道風景画館主宰、画家)*北海道八名山

 40年前に東京から富良野に移住して画業に専念した当初は、田園風景が主なモチーフで山々は遠景に小さく描かれる程度であった。それが山々を主役とする連作に取り組むとは自分でも想像していなかった。

 北海道には秀峰が多く、また北の山は気品があり、冠雪する姿、またそこに朝日が当たり、空は虹の配列に染まるモルゲンロートの一瞬には、北海道の大気ならではの美しさがあるように思う。利尻富士、大雪山旭岳、斜里岳、ニペソツ、夕張岳、十勝岳連峰、芦別岳、羊蹄山を一通り描き、現在進行形として画館に展示しているが、これからが勝負どころである。

 相原求一朗氏に北の十名山があるが、これはモノクロームに近い重厚な大作である。対して私は戸外で描くのでせいぜい横幅は1メートル。絵の具は虹の7色を使い、例えば川魚の婚姻色を彷彿(ほうふつ)させるところがある。タナゴ、オイカワの雄の婚姻色は虹を思わせるが、それは命を子孫に伝える色であり、自らの死化粧の色でもある。私の最後の連作にふさわしい色であろう。

 相原氏のお宅へ伺ったことがあった。氏はすでに亡くなられ、麻木夫人は白い部屋に白い服を着て住まわれていた。帰りがけ「これは形見、相原の愛した白、ジンクホワイトです」と絵の具を手渡された。私は八名山のどこかでこの絵の具を使おうと思っている。

(2026年06月22日撮影)

 

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