北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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どうほく談話室


旭川医療センター院長 青木裕之さん(62)

地域医療担う 旭川5基幹病院の一角*高齢者の救急受け入れに力

 旭川市内の5基幹病院の一角として地域医療を担う国立病院機構旭川医療センター(花咲町7)は、パーキンソン病をはじめとする神経難病や慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)、リウマチなどの専門治療に力を入れている。今年4月に院長に就任した青木裕之さん(62)に、今後の運営方針を聞いた。

 

 ―院長就任から2カ月が過ぎました。
 「新型コロナウイルス対応補助金が打ち切られて以降、経営は厳しくなっています。物価高も圧迫要因です。職員への危機感の共有を呼びかけるとともに、外部の医療機関との連携強化を図るべく行動しています」

 

 ―市内5基幹病院(旭川医療センター、旭川医科大、旭川厚生、旭川赤十字、市立旭川)の中で、どのような診療体制を目指しますか。
 「昨年10月に地域包括ケア病床50床を休床し、現在の稼働は260床。5基幹病院の中では最少です。24時間体制の高度な救急診療ではなく、高齢者に特化した救急受け入れに力を注いでいきたいと考えています」

 

 ―高齢者救急と一般的な急性期医療は、どう違うのでしょうか。
 「急性期は脳卒中や心筋梗塞などで迅速な対応が必要な疾病やけがへの対応が中心。一方、高齢者救急は、発熱や意識障害のある高齢者を受け入れ、状態に応じた治療を行います。別の医療機関や高齢者施設と連携し、例えば血中酸素濃度の低下した患者さんの受け入れなどを進めます」

 

 ―これまで強みとしてきた神経難病やCOPD、リウマチの治療はどうなりますか。
 「これらの疾患に対応する三つの『疾患センター』を設置しており、今後も注力していきます。高齢者救急との相乗効果も見込み、例えばパーキンソン病患者が起こしやすい誤嚥(ごえん)性肺炎の受け入れにつながると考えています」

 

 ―長期的な展望は。
 「地域包括ケアと訪問看護サービスの充実を図ります。地域包括ケアについては、入院患者が在宅療養へ移る際に地域のかかりつけ医へ情報を提供します。また、訪問看護ステーションのスタッフを増員し、24時間対応へ移行する方針です」

 

 ―地域住民とのつながりについてはどう考えますか。
 「三つある疾患センターや高齢者救急など、当センターの取り組みを広く知っていただき、『なくてはならない病院』として地域に根ざした存在になれるよう努めていきたいです」
(聞き手・弓場敬夫)

 

 

*取材後記
 以前、旭川医療センターが月1回ペースで実施する「パーキンソン教室」を取材したことがある。神経内科を専門とする木村隆・前院長は「さまざまな不調が『老い』のためだとされ、正しい診療に結びついていない」と指摘していた。地域住民の高齢化が進む中、青木裕之院長の強調する高齢者重視策が、同センターの強みと融合していくことを願う。

 

 あおき・ひろゆき 名寄市出身。名寄高から旭川医科大へ進み、国立札幌病院(現・北海道がんセンター)や北海道大病院などを経て、1995年に国立療養所道北病院(現・旭川医療センター)へ。2025年に副院長、今年4月から現職。外科が専門で現在も週1回、外来診療を行っている。

(2026年06月22日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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