北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


佐藤隆政(東川・不動産会社経営)*嫌われ爺で結構

 私は旭川の金融機関に21年間勤務したのち、自分の夢と人生の目標であった不動産会社を創業しました。元来公務員やサラリーマンに向かない性格なのはよく分かっておりました。金融機関に勤めながら、不動産業界の社会と経営のありさまを、遠巻きに観察し、私なりの視点を磨いてから独立しました。

 入行7年目の1972年、日中が国交を回復しました。全国商工会議所主催の洋上研修があり、私も参加。3週間かけて天津・上海・北京を回りました。当時の中国は生活物資も不足し、電化製品も普及していませんでした。ビールもぬるいものしかありませんでした。なんて日本は幸せなのだろうか。

 研修中、世界を渡って来られた船長さんの講演会がありました。「日本人はテレビや新聞の報道に感化される国民なので、しっかりと自分の信念を持たないと、戦争反対だと言っていても、あっという間にコントロールされて、戦争に巻き込まれます。しっかりと自分の信念を持って下さい」。強いメッセージでした。

 世の中に多くの矛盾がありますが、その矛盾に流されないためには強い信念とぶれない強靱(きょうじん)な精神力が必要です。時には嫌われる勇気も同時に持ち合わせてなくてはなりません。私は自称現代版亭主関白なので、女房から「それでは子供と孫たちから嫌われるよ」と冷やかされますが、「嫌われ爺(じじい)で大いに結構」とやり過ごしております。

 さとう・たかまさ 東川町生まれ。1997年、同町で不動産会社「大和」を設立(昨年7月、「大東」に社名変更)。アウトドア、山菜採り、旅行、川柳と趣味多数。大の日本酒党でもある。東川町出身会の会長を務める。70歳。
(2024年1月15日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP