北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


川崎正紀(留萌・飲食業)*緑のおばさん

 この春から長男坊が小学校に通い始めた。学校までの距離は約1・5キロ。6歳の子どもには遠い距離だ。なので学校まで送っていくことになるのだが、晴れの日は自転車で、雨の日は車で、となる。

 車に乗っている時はおとなしいのだが、自転車の時は「あっちの道から行きたい」だのなんだの調子に乗って「おだつ」状態に。

 そうこうして小高い坂道を上り学校の校門前には、緑のおばさんと犬を連れて子どもたちを見送るおばさんがいる。犬のココちゃんはみんなのアイドルだ。

 緑のおばさんは、今は学童擁護員というのか。子どもたち一人一人の顔と名前を覚えており、晴れの日も雨の日も毎朝、一人一人に声を掛けてくれる。そして私は「通学路を通ってください」「交差点を渡ってください」「きちんと校門を通ってください」などと結構叱られる。

 この年になって交通ルールで叱られるとは思わなかった。理由は「子どもがまねをしますから」。こういう人たちのおかげで子どもたちは安心して学校に行ける。本当に感謝しかない。

 児童数が減って学校も空き教室が増えてきた。その分、大人の目の届く人数は増えていく。学校も地域も親たちも、子どもたちが安心して笑顔で学校に通えるように、見習っていきたいものである。

(2022年9月19日掲載)
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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