北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


川崎正紀(留萌・飲食業)*これからきっといいことが

 年が明けてすぐ、幼い次男が難病と診断された。腸の一部が生まれつき機能していないのだそうだ。なんでも、国内で年間200人ほどしか発症しない病気だそう。そんな宝くじのような確率に当たらなくても…。

 何度も手術をし、苦しむ姿を見ていると「代われるものなら代わってあげたい!」と、本当に思うものである。

 難病指定なので医療費こそかからないが、通院や付き添いにかかるお金は飛ぶように出ていく。コロナ禍の3年間で、ただでさえ少ない蓄えは底をつき、借金を重ねた。

 妻は次男の通院の付き添いの疲れか、帰りに事故を起こし車が横転。救急車で病院に運ばれた。幸い母子ともに大きなけがはなかったが、車は廃車。神様仏様なんていないと感じた。

 そんな次男は今年、2歳になり、人工肛門をつけながら元気に保育園に通っている。

 病気の子どもを献身的に見てくれる先生たちには本当に感謝しかない。そして事故の時、救助してくれた警察や消防の皆さんがよほどかっこよかったのか、今次男はパトカーと消防車が大好きだ。

 コロナが落ち着いて、店の売り上げも戻りつつある。これからはきっといいことがつづくはずだ!

 次男の病気が治るのが何よりの頑張りのもと。コロナ融資の返済があと5年、次男が成人するまであと16年。これまでより、より一層働きがいのある人生になりそうだ。 
 
(2023年7月3日掲載)
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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