北極星
道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら
大橋美智子(旭川・農業)*夏の食卓
畑の緑が濃くなると台所が忙しくなる。日差しに勢いがつく季節になると、野菜たちが喜々として実をつけるからだ。それらを無駄にしないように食卓にのせるのが育てた者の務め。
きゅうりとトマトは毎日サラダ。ブロッコリーは一度にどっと収穫期を迎え、ひたすらゆでる。ときどき青虫もゆでてドキドキ。
ズッキーニは育つ過程も楽しい。調理はもっぱら焼く。ニンニクのみじん切りを油で熱し、香りが立ったところへ輪切りズッキーニ投入。弱火でじっくり火を通す。味は塩コショウでも中華風でもマヨしょうゆでも。
ごまあえにするとおいしいのがオクラ(ゆでて)。今年もそれが食べたいがために育てている。
なすは長なすに決めている。まだ雪のある頃に室内で種をまいて60本くらいを毎年育てる。これはおいしい浅漬けのため。
漬けものは原料がたくさんじゃないと漬けられないと思っていた。しかし研究の結果(大げさ)少量でもおいしく漬けられるようになった。自分で言うのもなんだけどかなりおいしい。
人様に差し上げて褒められいい気になっているが、頂き物をおいしくなかったと面と向かって言う人はいない。そんなことはわかってるけど今年もきっと人の迷惑顧みず、あちこちに配る。
(2020年8月10日掲載)
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