北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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まちなかショールーム


第11回まちなかショールーム カンディハウス ✖ OKUNO 旭川店

カンディハウス × OKUNO 旭川店

 

旭川を代表する大人のファッションデパートといえばOKUNO旭川店。

3条買物公園に面し、紳士・婦人服をはじめ、子供服からスポーツウェアまでこだわりのセレクトショップが多数入っています。

ここで見つけた旭川家具は旭川の未来をデザインで創ろうとしている思いが詰まった物語がありました。

 

創業者が自らデザインしたソファ

ビルの1階に置かれていたのは「カンディハウス」製のソファ「ドウゼ」。

うたた寝を意味するdozeからネーミングされたそうで、カンディハウスの創業者である故・長原實氏のデザインによるものです。

軽やかで可愛らしい見た目の実現のためにヒッコリーを張り合わせて作られています。

OKUNO代表取締役社長の石原嘉孝さんは「黒や茶色が多い中、このオレンジ色があったためこのソファを選んだ」と仰いました。

このオレンジ色と創業者の長原氏が持ち続けた熱い想いが重なったのかもしれません。

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旭川のデザイン力を地域の誇りにしていく石原氏と長原氏の出会いは30年ほど前。当時から旭川の主力産業として栄えていた家具メーカーの方達と交流の機会がありました。

「長原さんは先輩ですが、旭川の未来のために一緒に戦った戦友のような存在です。そんな長原さんが目指した、世界に誇るべき『デザイン力』を軸とした旭川の未来の構想を、旭川家具を通じて地域の誇りや愛着を育んでいくことが大切であることから,お客様もスタッフも見て触れることのできるこの場所に設置してあります」と石原氏。

一昨年にはカンディハウスのポップアップショップを1年3ヶ月にも及ぶ長期に開催するほど同社と深いつながりもあり、まちなかで本物の家具に触れる空間をもっと作っていきたいと力強くお話し下さいました。

世界へ勝負できる資質を持った人材が必要

「日本の家具には欧州にあるような色気がデザインから感じ取れないと言われることがあります。私が思うに、色気とは強烈な『生きる意識』です。

また、長原さんは本当に強烈な熱量と個性を持った人でした。周りになんと言われようとも、ここに長原ありというほど強い『生きる意識』を感じました。

それに追随するように、一人また一人と資質を持った人が集まってきていました。現在はそのような人はほとんど見かけたことがありません。

旭山動物園も旭川が世界に誇ることのできるオリジナルです。家具については材料や教育、生産工場などの資源はすでに揃っています。

デザイン力についてもそのように意識し続けることによって、キラキラ光るものを持って世界で勝負する新しい人材が現れてほしいと思っています。」とお話しくださいました。

今はこのソファは廃番となっており、希少なものです。ファッションデパートの1階に溶け込む家具は、歴史と思いが詰まった1点だったのです。

 

 

名  称: OKUNO 旭川店

所 在 地: 北海道旭川市3条通7丁目

電  話: 0166-22-6211

営業時間: 1〜4階 午前10時から午後7時

(1階 宮越屋珈琲は22時まで)

5〜7階 各店ごと

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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