北極星
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石川千賀男(旭川・公益財団法人理事長)*第34回 龍馬world in旭川
龍馬は不思議な魅力の持ち主だった。端正なハンサムには程遠く、土佐弁丸出し、いつも旅塵(りょじん)にまみれていたが、老若男女の別なく会う人を引きつけずにおかない何かが備わっていた。
何よりも陽性なところがいい。女性からモテモテで、高知の漢方医の娘、徳。千葉道場の娘、佐那子、寺田屋女将(おかみ)お登勢。命を助けたお龍とは、鹿児島県の霧島に日本で初めてとされるハネムーンに出かけている。
一方で海洋国家の思想に燃え、北海道(当時蝦夷(えぞ)地)に独立国を作ろうとしていたなど、先見の明があった。脱藩して一介の浪人でしかない龍馬が勝海舟や西郷隆盛との「回天の出会い」があり、小松帯刀、高杉晋作、桂小五郎たちから信頼され、薩長同盟という不可能を可能にしたのは、何故か。信実・率直な性格で態度は磊落(らいらく)、極めて現実的な反面、豊かな夢を抱いている心の持ち主だったからだ。たびたび出てくる「染みるような笑顔」。いつの世も笑顔は難題を解決する力を持っている。
全国に二百以上の龍馬の会があり、その龍馬ファンが一同に旭川市に集まる大会「第34回 龍馬world in旭川」が9月18日に開かれます。人数に制限がありますが、地元の方も参加できるようにしたいと思っています。お楽しみに。連落先は(電)070・8805・1646。
(2022年5月23日掲載)
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