北極星
道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら
エルと共に*鈴木道子(旭川道新エッセー教室受講生)
朝、目覚めて枕元の時計を見ると、8時20分。「寝坊した」と飛び起きた。急いで着替え、窓のカーテンを開けた。
鳥籠にかけてある布を取り、飼っているオカメインコの「エル」に話しかける。「お母さん寝坊したの。ごめんね」。エルはキョトンとした目で私を見る。
エルは甲状腺の持病があり、時々声が出なくなる。そのため、動物病院に毎月通っている。毎朝、前日食べ残した餌の量、体重を記録しなければならない。エルの健康を保つには、手抜きはできない。
オカメインコを飼うようになって50年近くになる。初代は20歳の長生きだった。2代目と3代目は5~6年、4代目は16年で旅立っていった。エルは5代目、現在2歳になる。
エルはとても甘えん坊だ。籠から出すと私の肩にぴたっと止まり、行動を共にする。用事があってエルを離すと、「ピーイ、ピーイ」と鳴いて私を呼ぶ。
その鳴き声を聞くと、幼い2人の娘たちに「お母さん、お母さん」と呼ばれた頃を思い出す。「お母さんいるよ」と言って姿を見せると、エルは鳴きやむ。まるで子供のようだ。
「私がエルの面倒を見なければ」との気持ちからか、91歳の今になっても元気でいることができる。
エルよ、ありがとう。
(2026年09月28日掲載)
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