北極星
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稲荷桂司(旭川・公務員)*パクチーとカメムシ
パクチーというハーブがある。独特の芳香で東南アジアの料理によく使われ、中国でもシャンツァイ(香菜)と呼ばれ親しまれている。男性より女性に好まれるイメージがあるが、私にとっては若い頃に訪れた中国や台湾の街角に漂う料理のにおいを思い出す懐かしいハーブだ。
最近では種が売られているため、家庭菜園に植えていたが、わさわさと増えて周りにその香りを振りまいたため、パクチーが苦手なわが家の女性陣からクレームが入り、もう植えるのは断念した。
ところでこの季節柄、カメムシをよく見るようになったが、上の娘はこのカメムシのにおいが大嫌いで、うっかり家に入り込んだカメムシをにおいで見つけては大騒ぎをすることがある。私はそのにおいはあまり気にならなかったが、先日職場でカメムシの死骸を見つけた時に手近にゴミ箱が無かったため、手元のメモ紙に包んで作業着のポケットにしまい込んだ。
すっかりそれを忘れた頃、どこからかパクチーの香りがした気がして不審に思ったが、カメムシのにおいはパクチーに似ているという事を思い出し、慌てて取り出したカメムシ入りのメモ紙をそっとゴミ箱に捨てた。
とは言え、私はそれでも臭いと思ったわけでも、嫌な気分になったわけでもなかった。結局、カメムシもパクチーも嫌いにはなれないと改めて感じた出来事だった。
(2026年10月12日掲載)
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