北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


ブラッザグエノン一家*赤ちゃん誕生 4兄弟に


 額にある三日月形の模様と、あごひげのような白い毛が特徴のサル「ブラッザグエノン」の一家に9月2日、赤ちゃんが誕生した。母親の胸元にしがみついた姿が愛らしく、産まれた日から早くも飼育舎に登場して、来園者の注目を浴びている。

 ブラッザグエノンはオナガザルの一種で、主にアフリカの森林地帯に生息。その特徴的な見た目から「世界一美しいサル」と呼ばれる。おりを揺らして大きな音を出したり、「ウー」と鳴き声を出したりして互いにコミュニケーションを取る。

 同園では、食いしん坊の父マキャベリ(11歳)、気難しい性格の母モモ(9歳)を両親に、長男マモル(3歳)、次男もずく(1歳)、三男もなか(11カ月)の3兄弟と、赤ちゃんの計6匹を飼育している。

 モモは既に3匹の母親だけあって子育て上手。飼育担当の佐藤和加子さんは「赤ちゃん以外の子どもが近づくと毛づくろいをするなど視野が広く、常に気を配っている」と話す。

 マキャベリとペアリングを始めた当初は警戒心を抱いていたというモモ。佐藤さんが担当になった3年ほど前から精神、身体ともに成長し、約1年ごとに1匹を順調に出産している。

 ブラッザグエノンの妊娠期間は約5カ月。今回は、8月中旬に佐藤さんがモモのおなかの膨らみに気付き、その1週間ほど後に誕生した。発情が戻るタイミングは個体によって異なり、佐藤さんは「もなかが産まれてから1年たっておらず、予想より早い出産だった」と驚く。

 赤ちゃんは母親に抱えられているように見えるが、実は自分でしがみつくほど握力が強い。名前は決まっておらず、性別もまだ不明。母親から離れ、1匹で遊ぶようになってから確認できるようになるという。

 子どもたちのうち、長男のマモルは大人の見た目に近づき、年下の子どもと離れて父親と一緒に寝るなど、少しずつ行動に違いも見え始めている。佐藤さんは「1歳差の兄弟を見比べる良い機会。それぞれの成長を見守ってほしい」と話している。
(渡辺愛梨) 
 
【写真説明】9月2日に誕生したブラッザグエノンの赤ちゃん(中央)。母親モモのような三日月形の模様や口元の白い毛はまだない
(2023年10月2日掲載)
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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