北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


閉園期間の作業*つり橋、疑似岩 空間に刺激


 4月8~26日は旭山動物園は閉園期間になります。閉園といっても、もちろん動物に休みはなく、われわれ飼育員も全日出勤するので、むしろ1番体力を使う時期かもしれません。

 閉園期間は普段の飼育作業に加え、放飼(ほうし)場のレイアウトや床材を取り換えたり、ニホンザルを全頭捕獲し体重を計測したりと、普段開園中にできない作業が続きます。「今回はこの動物には何を作ろうかな」などやりたいことがいっぱいです。

 2022年にはレッサーパンダの放飼場にミニつり橋を作り、21年にはマヌルネコ舎に疑似岩を作りました。両生類・は虫類舎の水槽もいろいろ変わっています。物作りに先行するのは「動物のこの姿が見たい」です。レッサーパンダに関しては、つり橋を歩く姿を正面から見たい、マヌルネコは本来の生活域の岩場を跳んで登る姿を見たいなどが動機になります。

 そして私個人が飼育員として忘れるべきではないと強く思っているのは、「動物園の動物は人間のエゴでここにいる」ということです。本来は、はるかに広い空間で生活している生き物を、動物園では寝室・放飼場という狭い空間で飼育していることを忘れるべきではありません。

 では、飼育動物を自然に帰すべきかというと、そういうことでもありませんし、動物園というのは「種の保存」「教育・環境教育」「調査・研究」「レクリエーション」という四つの役割があり、さまざまな心を育むためにも必要な施設であると思います。

 だからこそ、飼育している動物は限られた空間でもせめて『その種らしく』生活できるべきであり、野生下でも感じるような楽しみや緊張を含め、多くの刺激が必要だと考えます。その一つとして、長い時間を過ごす放飼場を定期的にガラッと変えてみるのも、大きな刺激になると私は思います。(レッサーパンダ舎、マヌルネコ舎、両生類・は虫類舎担当 鈴木達也)
 
【写真説明】マヌルネコ舎にある自作の疑似岩
(2024年04月08日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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