北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


鶴間智子(旭川・農業)*おいしい野菜の裏に

 暑くなり、野菜の出荷が忙しくなってきました。ハウスもののキュウリ、スナップエンドウ、キャベツ、リーフレタス…どんどん増えます。約40種類。毎年、少し減らそうと思いながら、多くなってしまいます。

 5~10月はほぼ毎日午前5時から収穫し、あさひかわ農協の直売店「あさがお」に出荷します。夕方、直売店へ見に行って完売だと「明日も頑張るぞ」と、疲れも忘れてしまいます。

 いつも需要と栽培の手間のバランスが悩みの種。例えばトマトは手間をかけて早く出せば、高く売れる。4月上旬に苗を80本植え、そして成長の早い葉物を出した跡地に120本、100本と植えていきます。

 忙しくても、植物は裏切らないから面白い。最近はミニサイズに挑戦しています。ミニ白菜、ミニカリフラワーのほか、専用の種のないキャベツやブロッコリーも株間を狭め、食べきりサイズで小さく育てます。その分、安くできます。

 でも「いつまでできるかな」と不安もあります。物価高の影響で資材、肥料、種など全てが値上がりしました。その割に野菜は高くなった感じはしません。

 これからはオクラ、トウモロコシ、枝豆、ナス、ピーマンも出てきます。楽しみなのと忙しさと、複雑な心境ですが、「おいしい野菜」と言ってもらえるよう汗を流して頑張ります。

 
(2023年6月26日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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