北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


嶋崎暁啓(豊富町・自然ガイド)*食もお酒も温泉も

 素晴らしい風景を楽しみながら歩き、途中で地元の食や温泉を楽しむ。おいしいお酒も一緒に…。そんなぜいたくな旅ができたらどんなにすてきなことだろう。先日、この夢のような機会が豊富町であった。

 そのイベントは『ONSEN(おんせん)・ガストロノミーウォーキング』。ヨーロッパ発祥の美食の旅「ガストロノミーツーリズム」の要素に、日本の温泉文化を加えて独自にアレンジした。「めぐる・たべる・つかる」がテーマで、土地の食や自然、文化を楽しむ新しい旅のスタイルだ。

 全国で毎週のようにイベントが開催され、熱心なファンは各地を訪れているという。宗谷では今年、礼文島と稚内市でも行われており、近年、広がりを見せている。豊富町では、サロベツ産チーズ、エゾシカ肉のスモークやジャーキー、お酒、そして地元産牛乳を使ったスイーツなどがコース途中で提供された。

 ゴール後のランチでは、酪農家のお母さんたちが作る地域食材のスペシャル料理が大変好評だった。たくさん歩いた後は豊富温泉でゆっくり疲れを癒やすことができる。このような旅の楽しみ方は、地域の魅力が一層伝わるのではないかと思う。豊かな自然、食、温泉がそろっているこの地域で、ガストロノミーツーリズムが定着し、広がっていくことを期待している。
 
(2022年10月24日掲載)
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP