北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


大槻みどり(富良野・カフェ経営)*ふらのカブ主総会

 二輪車「スーパーカブ」の愛好家によるミーティングは「カブ主総会」と呼ばれ、全国各地で開催されている。5台ほどのごく身内のものから400台も集結するものまでさまざま。カブを見て歩き、語り合うだけの集会だが、これがカブ好きにはたまらなく楽しい。

 私のカフェでも、「ふらのカブ主総会」を2年に1度開催してきた。昨年はコロナで中止にしたので、8月に開く今年は3年ぶりの開催となる。

 全国のカブ主総会の中でも、富良野はもしかすると最も参加しづらい総会かもしれない。一つにカブは高速道路に乗れないので、一般道をひたすら走って富良野までたどりつかなければならない。遠くから参加する方は大変だが、東京や大阪はもちろん、福岡からの参加者もいるのだから恐れ入る。

 また、カフェの駐車場はスペースが小さく、60台限定エントリー制のため、競争率が高くなってしまう。今年分も受け付け開始からわずか1分で定員になり、終了した。狭き門になってしまい心苦しいが、ありがたい限りである。

 「カブ、いいよね」。それを言い合うだけのために、この小さな駐車場を目指して走って来てくれる人たち。カブのおかげで出会えた仲間の笑顔が見たくて、準備が始まった。

 3年ぶりに、私の熱い夏が戻ってくる。
 
(2022年7月4日掲載)
 
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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