北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


谷紀美子(名寄・無職)*冬は最終コーナー

 昨年11月24日、前日まで積雪ゼロで晩秋の風情だったのに、朝起きたら雪が50センチ積もっていていきなり真冬の景色になっていた。これから長々と続く冬を思うと暗い気分となった。最初の大雪が衝撃的すぎて、その後の雪が全然たいしたことないと感じたほどだ。

 この冬はトラブルにも見舞われた。昨年春に退職した後、自家用車をあまり使わないでいたら、今年の1月になってバッテリーが上がってしまった。車のディーラーに連絡すると、話の流れで新車を試乗する運びとなった。

 郊外を走っていた時だ。交差点の一時停止線で止まったところへ右方向から来た軽自動車が十分減速せずに左折し、大回りしながら正面からぶつかってきた。幸い大きな衝撃ではなく、双方けがもなかった。たぶんこちらに落ち度はない。ディーラーさんも「試乗車でよかったですね~」と明るく言ってくれたし、私も内心そうは思ったけれど、さすがにバンパー同様、気持ちもへこんだ。

 そうこうするうちに、北京五輪が開幕した。歓喜の瞬間、ため息が出る場面、腑(ふ)に落ちない結果、さまざまな感情に揺れつつ、2月は過ぎていった。いろいろ大変だった冬も最終コーナーを回ってかすかに春が見えてきた気がする。4カ月間も真冬って長過ぎるし、ほんともう飽きました。

 

(2022年2月28日掲載)

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP