北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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みんなの放課後

「放課後」とは、勉強や仕事などの本業以外に過ごす時間のこと。 スポーツや文化活動など夢中になれる“何か”に真剣に打ち込んでいるチームや団体の皆さんを、ジャンルや老若男女を問わず紹介していきます。


vol.72 心技体を鍛え、「個の技術」を磨いていく ・・・「ビアンコネロ旭川フットボールクラブ」


 

Jリーグでは段階的に観客動員を増やすなど、少しずつ日常を取り戻しつつあるスポーツ界。一方で地域の小学生の活動にはどれだけ日常が戻っているのでしょうか。今回は「ビアンコネロ旭川フットボールクラブ」を訪ね、活動風景をのぞいてみました。

 

 

 秋の訪れを告げるように、肌寒さが増した9月中旬。ナイター照明がピッチを明るく照らす中、ドリブルで相手の逆を突いて抜き去ろうとする小学生の姿がありました。「当クラブでは、ドリブルに特化したチーム作りをしています。圧倒的な個人技を通して、サッカーを始めたい人や今まで関心が薄かった人に興味を持ってもらえる、見ていて楽しいサッカーを心掛けています」そう語るのは監督の大西伸也(おおにし しんや)さんです。

 

 

 ビアンコネロ旭川のクラブコンセプトは「個の技術」。ドリブルの他に、サッカーの基本となる「止める」「蹴る」の精度なども含まれます。また、サッカーの技術だけでなく、あいさつやカバンの置き方といった礼儀やマナーも指導。人として成長することで自分で判断する力や責任を取れるようになり、間接的にプレーにも影響を与えます。

 来年4月には中学生の年代が所属する新しいカテゴリー「U-15」を設立。それに先立って10月19日にセレクションを行い、U-15のない他チームの小学6年生や中学1年生を受け入れチームを作っていくそうです。「今私たちが考えているのは、12歳までにボールを奪われない技術・自身でプレープランを理解する力が身に付けば、中学・高校でも通用すると思っています」と監督。明確な指針を持ったこのクラブで、どのようなチームができあがるのか、半年後に注目です。

 



 

 

成長するには、考えることが大切

アドバイザー兼コーチ
元コンサドーレ札幌
池内 友彦(いけうち ともひこ)さん

 

 

 

 サッカーに限ったことではありませんが、自分で考えて行動することが大切だと思っています。初めての練習メニューでも、コーチの説明をしっかり聞いて理解し、自分でどうプレーするか考えてチャレンジしてみるなど、小学生の頃から習慣づけることが必要です。トライして成功した感覚が手応えになれば挑戦する意欲が湧き、別なアイデアも出てきます。なぜ失敗したのか、どうすればうまくいくのか、子どもたちに自ら気付かせるように指導するうちに、積極性など意識が少しずつ変わってきているのを実感しています。

 


 

間近で体感したプロの動きがこれからの糧に

 

 この日、ビアンコネロ旭川が主催するサッカークリニックでは、元日本代表の本山雅志選手が特別ゲストとして登場しました。ドリブルでサッカーファンを魅了し続けてきた本山選手と一緒にゲームをしたことは、子どもたちの今後の成長に大きく影響するはず。参加したクラブ生で小学6年生の髙橋依那(たかはし えな)さんに感想を聞くと「本山選手は複数人でとりに行ってもボールを奪われずに、自分の体の一部みたいに扱うところがすごいと思いました。ドリブルはもちろんパスをもらう前の動きや、もらった後のボールの置き方が一番勉強になりました」と話してくれました。

 

 

 U-12の大会はすでに終わっており、6年生は今後、来年4月から新設されるU-15のカテゴリーに向けて練習を行います。「違うチームの選手が入ってきても、試合中のプレーでボールを譲り合わないようしっかりコミュニケーションを取れるようになりたいです」と髙橋さん。U-15で活躍するためにもさらに上達したい彼女にとって、サッカークリニックは大きな刺激になったようです。

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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