北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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みんなの放課後

「放課後」とは、勉強や仕事などの本業以外に過ごす時間のこと。 スポーツや文化活動など夢中になれる“何か”に真剣に打ち込んでいるチームや団体の皆さんを、ジャンルや老若男女を問わず紹介していきます。


vol.74 旭川ラグビースクール

One for All, All for Oneの精神で心身共に強くなる

「旭川ラグビースクール」

今年9月にフランスで行われるラグビーワールドカップ。4年前の日本開催の興奮を思い出すように少しずつ盛り上がりを見せる中、既にその魅力を知る子どもたちがラグビーに没頭しています。今回は「旭川ラグビースクール」を訪れ、活動風景をのぞいてみました。

 

 日中の最高気温が33℃を超え、道民にはつらい暑さとなった日曜日。石狩川沿いの河川敷では、赤白のラガーシャツを身にまとい、子どもたちが元気に走り回っています。「2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップが盛り上がり、一時は生徒が増えたのですが、新型コロナウイルスの影響で減ってしまいました。最近ようやくマスクをせずに練習ができるようになったところなんです」と話すのは旭川ラグビースクール主務の若松彰彦さんです。

 現在は3歳から中学生までの50人が在籍し、毎週日曜日の9時30分から12時まで練習。世代別に4つのカテゴリーに分かれ、幼児・小学校低学年は「運動を楽しむ」、中学年は「基礎」、高学年は「応用」、中学生は「試合を意識した動きと知識」をテーマに練習に取り組んでいます。タックルが禁止の幼児・小学校低学年は鬼ごっこのようにタグを取り合っていますが、その様子はとても楽しそうです。タックルなど本格的なラグビーの技術を習得するのは中学年になってから。「大きなけがをしない、させないためにも基礎をしっかり教えてます」と若松さん。心身共に強く育ってほしいという親の思いからラグビーを始めた子どもたちが、芝の上で楽しさに目覚め、相手とぶつかる痛みを通して思いやりや忍耐、勇気をここで育んでいます。

 

中学生担当コーチ 岡田 真臣(おかだ まさおみ)さん

答えは与えるものではなく引き出すもの

 現在中学生のコーチを担当していますが、中学生ともなると選手同士でコミュニケーションを取るようになるので、選手同士で話す時間を作ることを心掛けています。練習中は一方的に「指示」をするのではなく、尋ねる形で答えを導き出す指導をしていますよ。

 コロナ禍によりコーチ資格やレフェリー資格、試合中のけがの処置をするセーフティーアシスタント資格取得のための講習がオンラインになったことで受講しやすく、指導者や資格所有者が増えたのは良かったですね。これまで以上に万全の態勢で教えることができています。

ラグビーを通して自発的に行動できる人間へ

 旭川ラグビースクールの特徴は、「自分で考えて自ら決断できるよう育てる」というスタンスに重点を置き、決して勝ち負けにこだわっていない点です。各カテゴリーには複数人のコーチを配置し、子どもたち一人ひとりを見ています。同スクールの永田校長は「ラグビーは試合中監督から指示は出せず、個人個人で考えて前進かパスかといった判断をしなければなりません。自ら考えて行動する力が身に付くので、その力は将来必ず役にたつでしょう」と話します。

 また、コーチと共にチームを支えているのは、保護者の皆さんです。旭川は北見や函館に比べて、ラグビーが盛んではないため、北見や遠軽、美幌などへ遠征に行くこともあります。コーチ在籍数26人の手厚い指導とともに、車を出してくれる保護者の協力もあってチーム運営が成り立っています。8・9・10月には小中学生を対象にした大きな大会が控えています。選手、コーチ、保護者でスクラムを組み、One for All, All for Oneの精神で臨みます。

 

2023年8月20日(日)ラグビー体験会開催

場所:花咲グランド
時間:10:00〜12:00
連絡先:090-7647-3392(永田)

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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