北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


川崎正紀(留萌・飲食業)*コロナなんかに負けない

 今年は早めに宴会やイベントの予約が多く入っていたが、2月半ばすぎから、新型コロナウイルスの感染拡大が現実味を帯び始めてきた。このころから電話が鳴るとすべてキャンセルの連絡ばかり。正直、電話に出るのが嫌になった。鈴木直道知事の緊急事態宣言が出た2月28日の夜になると、予約はすべてなくなった。

 3月は送別会などのイベントがめじろ押し。特に公務員の街と言われる留萌では転勤する人が多く、部署ごと、友人同士など、1人の転勤に何度も送別会を行うのが慣例だ。そのほとんどがなくなった。

 少しでも売り上げを伸ばそうと、お弁当の販売や宅配、焼き鳥のテークアウトの宣伝強化、インターネットを活用したお食事券の提供など、やれることはやってみた。それでも売り上げは半分以下。でも支払いはしなくてはならない。

 困り果てた中、お客さまからは「少ないけどお弁当頼んでいいかしら?」「外に出られないけど、焼き鳥は食べたいからお持ち帰りしたい」「ここがなくなっては困るから。本当に応援してるから頑張って!」など、本当にありがたい言葉をたくさんいただいた。

 どんなに困難な状況になっても毎日、焼き鳥を焼いていれば何とかなる。「コロナなんかには負けない」。決意を新たに新年度を迎えている。

(2020年4月6日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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