北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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みんなの放課後

「放課後」とは、勉強や仕事などの本業以外に過ごす時間のこと。 スポーツや文化活動など夢中になれる“何か”に真剣に打ち込んでいるチームや団体の皆さんを、ジャンルや老若男女を問わず紹介していきます。


vol.70 一緒に過ごした時間がチームの強み・・・  「旭川実業高校女子バレーボール部」

 

V1昇格が目前に迫るプロバレーボールチーム「ヴォレアス北海道」。彼らの活躍に比例するように旭川ではバレーボール熱が広がりつつあります。そんな中、実業団へ多くの選手を輩出する、全国大会常連の強豪校「旭川実業高校女子バレーボール部」を訪ね、活動風景をのぞいてみました。

 

 

全国大会を終えて活動方針を決めた強豪校が、次年度へ向けて動き始める2月中旬。訪れた体育館では、部員たちが高い打点からスパイクを打ち下ろし、練習に励んでいました。
「今はまだ新チームとして始動したばかりで、攻撃のコンビネーションを徹底していこうとチームづくりのプランが固まったところです」と語るのは旭川実業高校女子バレーボール部監督の岡本祐子先生です。
”チームづくり”の根幹は、どういうところにあるのでしょうか。「バレーはポジションごとに役割が違うため、それぞれの基礎を徹底的に教えていますね。更にチームとしてどう動くのかを全体に浸透させています」と、教えてくれました。

 

 

同部は、2年生6人、1年生11人の計17人で活動しています。岡本先生の目が行き届く24人程度を部員数の上限とすることで、技術面の細かい部分まで指導出来ていると言います。
また、全寮制で部員全員が寝食を共にして日々の生活を送っていることも特徴の一つです。
「練習が厳しく心身の負担が大きい分、寮に戻ればワーキャー言いながら楽しく過ごせているみたいですね。そうして『明日も頑張ろう』というエネルギーにしてくれれば」と岡本先生。練習の後も一緒の時間を過ごし、チーム全員で同じベクトルに向かえることが強豪の強さの秘訣なのかもしれません。

 

 

 


人を育てる指導をしています

 

女子バレーボール部 監督
岡本 祐子さん

 

指導者は技術を重点的に教える人と、人を育てることを重点的に教える人の2パターンに分かれると思っています。
私は後者で、自ら考え率先して行動できる人になるように、また、チームワークや目標達成の大切さについて、バレーボールを通して伝えています。

この競技を続けることで得られる「チームのために自分ができることは何かを考える力」や「コミュニケーション能力の向上」は、社会に出た時にも通用すると考えています。
例えば叱られた後でも気持ちを切り替えて会話や的を射た返答が出来る、そういった能力が身に付くように育てています。

 


 

コンビネーションを極めてセンターコートへ

 

今年の初め、「春高バレー」こと春の高校バレー全国大会にて、強豪八王子実践高校に惜しくも敗れた旭川実業高校。この大会を最後に3年生は引退し、キャプテンも次の代へと引き継がれます。
このたび新キャプテンに就任した遠藤陽奈(ひな)さんに話を聞くと「2歳からバレーをやってきて初めてキャプテンになりましたが、チームのまとめ方、部員への指示やコートで感じたことの上手な伝え方がまだ分かっていないので苦労しています。言い方一つで相手の受け取り方が変わるため、人によって言い方を変えて話すことを心掛けています」とのこと。

 

 

新チームとして始動してまだ1か月。新人戦も終わり一段落したタイミングです。とはいえ、早くも3月には私立高校だけの全国大会が控えています。
「絶対的エースがいないので、コンビネーションを高めて、相手のブロッカーが付けないテンポの速い攻撃を仕掛けるのが今の課題ですね」と遠藤さん。
春高でシード校を倒してセンターコートに立つことを目標に掲げていますが、ここからコンビネーションの練度をどこまで上げられるか、チームの成熟具合が鍵になりそうです。

 

 

 

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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