北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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みんなの放課後

「放課後」とは、勉強や仕事などの本業以外に過ごす時間のこと。 スポーツや文化活動など夢中になれる“何か”に真剣に打ち込んでいるチームや団体の皆さんを、ジャンルや老若男女を問わず紹介していきます。


vol.66 声を掛け合い 高い結束力でチームを一つに・・・「神居野球少年団」

 

みんなの放課後

シーズン中はほぼ毎週末、大会や練習試合が行われる少年野球。スポーツは時に、観客や仲間からの声援が力となって筋書きのないドラマを生み出します。声のチカラを知り、日ごろの練習から大事にしている「神居野球少年団」を訪ね、練習風景をのぞいてみました。

 

すっかり日が長くなり、放課後でもまだまだ明るいとある初夏の夕方。神居小学校のグラウンドでは、青いユニフォームに身を包んだ子どもたちが練習に励んでいました。

ノックに合わせてバッターランナーがスタートし、打球の方向や守備の状況を見ながら次の塁を狙う一方、守備陣はゴロを捕ると素早く送球体勢に。

他の野手も万が一のエラーに備えるなど、状況に応じて細かく動いています。

「守備側は送球やカバーの判断が求められ、ランナー側は進塁の判断を求められる実戦的な練習です」と話してくれたのは、神居少年野球団の監督、名波大地さんです。

特に守備は連携が重要で、声出しによる指示やコミュニケーションが大事だそうですが、どの子もよく声が出ています。

「以前、大会後の反省を子どもたちだけで話し合わせた時に『もっとみんなで声を出した方がいいんじゃないか』という意見が出ました。

それからは声出しをチームでの約束事として取り組んでいます」と名波監督。本業の小学校教諭らしい目線で子どもたちの自主性を重んじているようです。

「彼ら自身が考えて決めたことなので、途中で曲げずに徹底してやってもらいたいですね」  全道大会行きの切符をかけて臨む日本ハムファイターズ主催の「FIGHTERS BASEBALL CHAMPIONSHIP」 はいよいよ明日。努力が報われることを期待しています。

 

 

 


試合で負けない
強気な姿勢が大事

神居野球少年団コーチ
平野 康光(ひらの やすみつ)さん

25年前にコーチを始めましたが、昔に比べると今の子は気持ちが優しい反面、打たれ弱い子が多い気がします。そのため、指導する時に抑えて言うべきか強く言うべきか、タイミングや言い方は判断が難しいですね。気の弱さはどうしても試合で出てしまうので、強気の姿勢を見せられるよう教えています。

そうやって指導して、春先に外野フライを取れなかった子がコツをつかんで、夏までに捕れるようになるのを見るとうれしくなりますし、コーチとしてのやりがいを感じます。教え子がどんどん上達していって、数年後、甲子園に出場してもらいたいですね。

 


 

4つの学校から集まることを力に変えて

神居野球少年団は神居小学校、神居東小学校、台場小学校、富沢小学校に通う1年生から6年生までの21人で構成されていて、女子選手も3人在籍しています。

夏期の練習時間は16時から19時までで、火曜日以外の平日は授業が終わった後に各学校から神居小学校のグラウンドに集まって練習を開始。

4つの学校から集まることの難しさを聞いてみると、名波監督は「ある学校の運動会と大会の試合日が重なってキャプテン不在、ということもありましたね」と話します。

学校は別々、常にベストメンバーとは限りません。そのようなチーム状況でどうやって結束を固めているのか、キャプテンの窪田千冬(ちふゆ)くんに聞きました。

「試合で負けている時こそ声を掛けてフォローし合っています。例えば、エラーが続くと気分が沈んでバッティングにも響いてくるので、気持ちを切り替えることが重要です。そのために『落ちついて』、『次は捕れるよ』など声を掛けています。エラーしてもその選手を責めないように、なるべく元気が出る言葉で伝えるのが大事ですね」

一人ひとりを気に掛け、励まし合うことで生まれる一体感が、学校の垣根を越えた強い絆とチームワークにつながるのかもしれません。

 

 

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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