北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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みんなの放課後

「放課後」とは、勉強や仕事などの本業以外に過ごす時間のこと。 スポーツや文化活動など夢中になれる“何か”に真剣に打ち込んでいるチームや団体の皆さんを、ジャンルや老若男女を問わず紹介していきます。


Vol.65 強さの秘密は「基本」と「サポート」にあり ・・・「旭川龍谷高校 柔道部」

 

みんなの放課後

かつてオリンピックメダリストも活躍してきた「全国高等学校柔道選手権大会」が3月に武道館で行われます。団体戦で高い団結力と練習の成果を発揮し、全国大会への切符を掴んだ旭川龍谷高校柔道部を訪ね、練習風景をのぞいてみました。

 

陳列棚に飾られた無数のトロフィー、部活動のための様々な練習場…。
柔道場までの光景はいかにも強豪校らしいもので、道場には壁一面に伝統を物語る歴代部員の名札がズラリ。

「龍谷柔道部にはOB会があり、1期から現在まで家族のようなつながりがあるんです。OBと一緒に稽古をするなど、情熱をもって生徒を育てています」と話すのは、柔道部顧問の葛西大樹先生です。

同校柔道部は1957年に創部。現在は女子部員1名を含む1、2年生16名で活動しています。
過去には全国優勝を果たし、只今高校選手権北北海道大会5連覇中と、その強さは脈々と受け継がれています。練習は複数のパターンを取り入れ、様々な状況を想定して努力を積み重ねています。

そんな彼らの練習の特徴は、とても基本に忠実なこと。打ち込みや寝技の練習で、「今どこを意識してる?」と葛西先生は部員に声を掛け、何を考えて技を掛けるのか入念にチェックしています。また、動作の一つ一つを声に出しながら取り組むことで意識が働き、攻守のポイントが理解しやすくなるんだそう。

彼らが挑む全国大会の目標は、去年のベスト16を上回るベスト8。
「今のチームは他の出場校に比べても体が小さいため、スタミナとパワーを付け、動いてかき回す柔道を徹底したいですね」と葛西先生は話します。
引退した3年生のサポートも含め総動員で勝利を目指す彼らに隙はなさそうです。

 

 


「柔道における強さとは何か」
を教えています

旭川龍谷高校 柔道部 顧問
葛西 大樹(かさい たいき)さん

当柔道部の部訓は、「志高頭低(しこうとうてい)」。
志は高く常に謙虚でいる、という教えを実現できるよう指導しています。技を覚えて強くなること以上に、礼儀や挨拶、気遣いといった人間性を鍛えることが大切で、大人になっても通用する重要なことだと思います。
卒業後も柔道を続けて、龍谷で良かったと思ってもらえる指導をしていきたいですね。

また、目標達成には自分で考えることが大切なので、答えをなるべく言いません。一方的に教えるのではなく、考える生徒をサポートするのが指導者だと思っています。

 


 

課題を解決し、目指すはベスト8

旭川龍谷高校には全道から入部希望者が集まります。
北北海道大会の団体戦で5連覇を果たしたチームの大黒柱、遠藤康介さん(2年)も学区外から入学した一人です。「強豪校に行きたかったことの他に、中学時代に参加した練習で先生方から受けた指導がとても熱心だったことが決め手となりました」。

現在は主将として部員を引っ張り、練習中も大きな声を出し続ける毎日です。
「チームを勝たせないといけない責任感が芽生え、気が付いたところや良くないところは、しっかり注意するようになりました」と語り、部長としての立ち居振る舞いもすっかり板についてきた様子。仲間と共に全国の舞台で戦うにあたり、試合や日々の練習で見えてきたものがあります。

「ベスト8に勝ち上がるためには、個人の課題として組手の強化が必須です。ずっと目指していた場所なので、みんなで力を合わせてすべて出し切りたいですね」と遠藤さん。トーナメントの抽選は明日16日、決戦は3月20日、21日です。

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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