北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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みんなの放課後

「放課後」とは、勉強や仕事などの本業以外に過ごす時間のこと。 スポーツや文化活動など夢中になれる“何か”に真剣に打ち込んでいるチームや団体の皆さんを、ジャンルや老若男女を問わず紹介していきます。


Vol.60 みんなで舞うほど アツくなる ・・・ 「夢想漣えさし」

 

札幌で「YOSAKOIソーラン祭り」がスタートしてから約四半世紀。大人数の踊り子が一体となってパフォーマンスを行う姿は、観る者の心を揺さぶるエネルギーに満ちています。今回は、同祭りで毎年大賞争いを繰り広げている強豪チーム「夢想漣(ゆめそうらん)えさし」の旭川支部をご紹介します。

 

 

手に鳴子を持った踊り子たちが、ソーラン節のメロディーに乗ってフォーメーションダンスを披露する「YOSAKOIソーラン」。今では北海道内だけでなく全国各地でYOSAKOIチームが続々と作られ、関連イベントも増えています。

 

 

「1996年に枝幸町で誕生した『夢想漣えさし』は、漁師町ならではのイメージをモチーフにした衣裳や力強い踊りが特徴です。とりわけ、海の白波を思わせる“白扇子”を使ったパフォーマンスが評判ですね」と話すのは、同チーム旭川支部の山下支部長です。2001年に枝幸から旭川に転勤となったことで支部を立ち上げたそう。現在は旭川市内だけでなく深川市や砂川市など遠方からの参加もあり、男性6人、女性7人の計13人で活動。練習は、月初にメンバーが集まれる日についてアンケートを取り、この日集まっていた北部住民センター(春光5条4丁目)をはじめとする公民館の空き具合を見て、日にちと場所を決定しています。

 

 

小さなお子さん連れで参加するママさんもいて、準備のストレッチ中は笑いが絶えない和やかな雰囲気でしたが、いざ踊りはじめると表情は皆さん真剣そのもの。ダイナミックな動きに息を弾ませながら、全員で呼吸を合わせて振りを揃えます。目指すは6月6日から10日まで開催中のYOSAKOIソーラン祭りでの、4度目の大賞。枝幸町の拠点チーム、札幌支部との合同練習を重ねて培った、道内屈指の強豪の団結力は今年も健在です。

 


大賞級の活躍でまちを元気に

夢想漣えさし旭川支部
山下支部長

支部は札幌と旭川にあって、チームの合計人数は100人近くにのぼります。YOSAKOIソーランの魅力は大勢で一つのことを成し遂げるところにあり、踊り手だけでなく観ている人たちも一緒になって初めて作品は完成します。

私たちは踊ることだけを目的としているわけではなく、枝幸の知名度を高めて町を元気にすることも、チームが目指すところです。祭りで大賞を取ることは最高のアピールになりますから、それも頑張れる原動力のひとつになっていますね。これからも、旭川隊だけの支部長とは思わずに、チーム全体を見る視点を持っていきたいと思います。

 


 

「夢想漣えさし」は全国各地のイベント、さらには台湾など海外でパフォーマンスすることもあり、その活動の幅は大きく広がっています。とはいっても6月のYOSAKOIソーラン祭りが大きな軸となるため、そこに焦点を当てて年間スケジュールが組まれています。


昨年のYOSAKOIソーラン祭りにて。鮮やかな衣裳に白扇子が映えます。

 

始動は本番の前年11月。オリジナル制作の曲がある程度完成している状態で、年内に新しい振りや構成を固めていきます。年明けに確認・修正作業が進み、チーム全体で振りを落とし込んでいくのは2月から。20人以上いる各支部のリーダー格メンバーが振りを覚え、それぞれの支部で指導を行います。「基本的に、各支部での練習では振りを正確に入れることに専念し、隊列での動きは各支部が集まる合同練習で集中的にやっています」と山下支部長は話します。3月以降の週末、年間12回を目標に合同練習を実施。毎年4月初旬の土日には拠点地・枝幸町で合宿を行っているそう。「美唄市茶志内に農道離着陸場があり、その滑走路を使った合同練習も恒例です」と山下支部長。本番に近い環境でフォーメーション確認を進め、そこで出てきた課題を各支部に持ち帰って練習することで、自慢の一糸乱れぬパフォーマンスが完成していくのです。

 


6月2日には拠点地・枝幸町で出陣式が行われました。

夢想漣えさし

https://goo.gl/uxZvDc

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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