北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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みんなの放課後

「放課後」とは、勉強や仕事などの本業以外に過ごす時間のこと。 スポーツや文化活動など夢中になれる“何か”に真剣に打ち込んでいるチームや団体の皆さんを、ジャンルや老若男女を問わず紹介していきます。


Vol.59 光と影の世界に魅せられて ひがしかわ写真少年団

 

1985年、世界にも類のない「写真の町宣言」をした東川町。写真甲子園などのユニークな取り組みで全国に写真少年の芽を育てる中、地元での次世代育成を目指して5年前に設立したのが「ひがしかわ写真少年団」です。一年を通して撮影活動する同少年団をご紹介します。

 

 

「東川は写真の町ながら、地元の子どもたちが撮影の活動をする場がありませんでした。そこで町の小学生を対象にワークショップを開催したところ、反響が大きかったことから平成25年に『ひがしかわ写真少年団』を結成しました」と話すのは、同少年団顧問の吉里演子さん。自身も写真甲子園で写真に魅せられ、大阪から東川町へ移住し町職員になったという経歴の持ち主です。

 

 

 

少年団には、3月末現在で東川町内の小学3年生から中学3年生まで15名が所属。取材に訪れたこの日は、一年の活動を振り返るパネルを制作していました。子どもたちは、写真をパネルに貼りメッセージや飾りを添えながら「早く撮影に行きた〜い」とソワソワ。本当に写真を撮るのが大好きなことが伝わってきます。

 

 

活動は第2土曜と第4日曜の9時半から14時まで。東川農村環境改善センターに集合し、町から貸与された一眼レフカメラを手に、近くの公園や商店街などへ繰り出して思い思いに写真を撮ります。年に3回、バスで遠出をして美瑛や旭山動物園などで撮影会を行うこともあり、撮影した作品はスライドで鑑賞したり、パネルを作って発表したり。毎年2月には一年間の集大成として、東川町文化ギャラリーで写真展も開催されます。コンテストで入賞する子も出てきており、写真の町からプロで活躍する写真家が誕生する日も、そう遠くないかもしれません。

 

 


躊躇なく吸収する
素直さに感心

 

ひがしかわ写真少年団 顧問
吉里 演子 さん

 

少年団では技術的な原理について座学もしますが、子どもたちは感覚で覚え、すぐ手を動かして実践できてしまうことに感心します。よさそうなものは躊躇なく取り入れて自分のものにできる子どもたちの素直さは、上達する上で大事な資質だと思います。

 

また、町内の写真家に作品を講評してもらうことで、「他人に見てもらう」ことが意識付けされ、それを機に大きく伸びるということがよくあります。写真は正解のないもので、好きなように撮ってもらうのが何よりですが、その中でも学びが多い活動になるようにしていきたいですね。

 

 


 

 

ひがしかわ写真少年団の結成から5年。入団して初めてカメラにさわるという子がほとんどですが、立ち上げ当初から参加している子どもたちの中には、すでに自分の世界観を作り上げている人もいます。高橋亜依さん(中2)はその代表格で、仲間たちから「亜依ちゃんブルー」と呼ばれる神秘的な青を基調とした作品群が印象的です。「もともと青が好きだったのですが、カメラの機能にある『ホワイトバランス』をいじったら自分の好きな雰囲気で撮れたのがきっかけです」と高橋さん。人物より自然を撮る方が好きだそうで「もっと自分の撮りたいものを、思っているように撮れるようになりたい」と意欲を見せます。

 

 

 

 

同じく結成当時から活動する鈴木玖偲(ひさし)くん(中3)は、6歳年上のお兄さんの影響で入団前から写真を始めていたそう。お父さんがカメラを趣味としていることから、使っているカメラは町からの貸与品ではなく自前の愛機です。「最近、ポートレートに興味が出てきました。今まで苦手だったのが、たまたまいい写真が撮れたので、始めてみようかと思っています」。彼らの心にある「もっと上手に」の思いの向こうに、理想の一枚がきっと待っているはずです。

 

 

ひがしかわ写真少年団

活動の内容は「写真の町ひがしかわ写真少年団」のフェイスブックでご確認いただけます。

https://ja-jp.facebook.com/higashikawakidsphotoclub/

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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