北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


秋のちょっとした悩み*屋外展示 体調と天気次第


 「もうタイヤ交換した?」「いつするの?」。ここ最近、飼育スタッフ間でよく交わされる会話です。旭川は10月21日に初雪がありましたが、皆さんタイヤ交換はお済みですか?

 旭山動物園は11月4~10日が閉園期間で、われわれ飼育スタッフは休みなしで冬期開園への準備を行います。その期間は自家用車のタイヤ交換をする時間がとれないので、閉園前後の休みの日に行う人が多いのです。

 私はできるだけ後回しにしたいので、天気予報を見ながら、閉園期間が過ぎてからでも大丈夫かなと考えてしまいます。何年か前、閉園期間中の夜に作業をしていたらどんどん雪が降ってきて、帰宅時にヒヤヒヤしたこともあります。何事も後回しはよくないですね。

 天気予報でいえば、タイヤ交換よりもっと大切なのは動物たちの健康管理です。この時期はぐっと寒くなったり、ポカポカと暖かい日があったりと天気が安定しません。私の担当のシロテテナガザルは寒さには弱いので、冬期開園になると基本的には室内展示となります。

 とはいえ、できれば広い外で運動してもらいたいので、本格的な冬が来る前のこの時期でもできる限り屋外に出してあげたいものです。そのため毎日天気予報をチェックしながら、今日はどうしようかなと考えています。ちなみに外に出てもらう気温に特に基準はありません。気温だけでなく、雨が降っているか、日差しがあるのかなども影響するからです。

 なにより一番大事なのは動物の様子で、うんちがちょっとゆるくなっていたり、屋外にある暖かいヒーターでじっとしている時間が長くなると、早めに屋内に帰ってきてもらったりもします。

 一般的に、動物は体が大きい方が気温の変化に強いのですが、テナガザルより体の小さいブラッザグェノンたちが元気に飛び回っている日でも、テナガザルたちはヒーターに当たっていることが多いです。もうちょっと短い秋の屋外を堪能してほしいな、というのが担当者としての気持ちです。
(獣医師・シロテテナガザル、キョン担当 中村亮平)
   

【写真説明】ヒーターで暖をとるシロテテナガザルたち
(2023年11月6日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP