北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


鶴間智子(旭川・農業)*野菜たちに感謝

 秋の収穫期を迎え、漬物野菜の出荷が始まりました。猛暑の今年は農家泣かせの年になりました。暑さでカリフラワーが黒くなったり、リーフレタスの葉先が茶色に変色したりと、出荷できない野菜がたくさん出てしまいました。

 先月29日には、突然降ったひょうに当たり、いろんな野菜が穴だらけになってしまいました。10年前から野菜農家に仲間入りした私にとっては初めての経験でぼうぜんとしてしまいました。秋野菜の収穫は絶望的と思いましたが、1カ月たって白菜やキャベツなどは傷ついた外側の葉を2、3枚多めに取れば出荷できるようになりました。ひょうにも負けず、育ってくれた野菜たちに感謝です。

 11月になると、そろそろ、越冬野菜の準備が始まります。キャベツ、白菜、大根、じゃがいもなどを土を掘り、雪の下で貯蔵します。野菜を収穫できない冬に備えます。生活者には厄介者の雪も野菜の保存にとっては、最高の恵みです。みずみずしく、甘みを増してくれます。多めに貯蔵して、JA直売所の「あさがお」に冬期間も出荷します。

 貯蔵の作業中にいつもアリとキリギリスを思い出します。アリさんに負けないように、雪が降るまで貯蔵の作業を頑張ります。おいしいと言ってもらえる野菜作りを目標に。さて、いつまで続けられるかな?
(2023年10月30日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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