北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


暑さ対策*企業が氷柱プレゼント


 記録的な猛暑となった今年の旭川。昼は蒸し暑く、夜も涼しくならない。お盆を過ぎても暑さは続き、秋はどこへやら…。ここは本当に北海道か?と疑うくらい過酷な夏でした。

 さて動物たちの様子はというと? 北方系の動物を多く飼育している旭山動物園で、ホッキョクグマやペンギン、レッサーパンダなどは今年の暑さはこたえたでしょう。飼育員も動物たちの体調管理に気を配り創意工夫し、暑さ対策に取り組みました。ぺんぎん館の屋内放飼(ほうし)場は冷房が入っているので涼しいですが、外は直射日光が当たり灼熱(しゃくねつ)です。日よけシートを付けたり、ミストシャワーを扇風機で拡散し冷気を当ててなんとかしのぎました。ホッキョクグマやレッサーパンダは通常、朝、寝室から外に出し、扉を閉め切っています。しかし、特に暑い日中は扉を開放して出入りを自由にし、暑ければ寝室に避難できるようにしました。寝室の冷たい床に腹ばいで休むレッサーパンダの姿を見て「やっぱり暑いんだなぁ」と感じました。

 そして夏といえば、市内の2企業が「氷のプレゼント」として氷柱十数本を寄贈してくれます。建設会社の橋本川島コーポレーションからは多くの社員が来てくれて園内でドリルを使って氷に穴を開け、ハチミツを注入し、動物の興味を引くよう工夫してくれます。一方、キョクイチロジの氷は果物入りだったり、ペンギン用には広い範囲を覆えるように氷をザラメ状に細かく砕いてくれたりします。

 さて動物たちの反応はどうか。オランウータンは自分で氷を一口サイズに砕いてアイスキャンディーのように口にほおばり、ニホンザルは氷に群がりみんなで氷柱をペロペロとなめています。氷の寄贈は毎年、本当にありがたいもので、特に今年は助けられました。動物たちに代わり、お礼申し上げます。

 最近ようやく涼しくなり、北海道らしい気候になりました。間もなく、また白いものが降ってきます。どんな冬になるのか。「暖冬、少雪がいいなぁ…」
(あざらし館担当、副園長 中田真一)

 
【写真説明】夏、大きな氷と戯れるレッサーパンダの親
(2023年10月9日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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