北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


稲荷桂司(旭川・公務員)*お茶と身体

 毎日飲んでいたお茶を、ほとんど飲まなくなってしまったのはいつからだったろうか。好きだったお茶を、ぱったり飲まなくなっていた。

 原因の一つには、この数年、心身の調子があまり良くなく、お茶にきちんと向き合えなくなっていたことがある。せっかくいいお茶を飲む時でも、入れ方がどうにもぞんざいになってしまい、もったいない気持ちになったからだ。

 ところが、昨年から少しずつ心身に余裕が出てきた気がして、自然とお茶の習慣が戻り始めた。直接のきっかけは、中国茶でチベット僧が愛飲しているというものを見つけ、取り寄せたところ、とても気に入ってしまったことだ。

 そのお茶は飲むと酔いにも似た体感があり、以前にも同じ産地のお茶を飲んだことはあったが、このような体験は初めてのことだった。気がついたらそのお茶をキロ単位で注文し、これなら数年はもつだろうと悦に入る自分がいた。

 その後もお茶の習慣は途絶えることなく、心身の状態もかなり回復し、お茶を素直に味わってえるようになってきた。きっかけになったお茶もよく飲んでいて、この出合いに感謝している。

 身体の感覚は自分に向けて身体の発するメッセージであろう。そのメッセージを見逃さず、これからは悪い方向に向かわないよう気遣っていきたいと思う。

(2023年4月12日掲載)
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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