北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


アムールヒョウ*丸太で休息 観察チャンス


 
 旭山動物園では2頭のアムールヒョウを飼育しています。ヒョウというと暖かいところに生息しているイメージを持っている人も多く、冬の間、「寒くないのですか?」と聞かれることもあります。しかし、アムールヒョウはロシア沿海地方に生息している、最も北に分布するヒョウなので、旭川の冬や寒さはへっちゃらです。

 氷点下10度でも、晴れていれば、高さ約4メートルにはわせた丸太の上で気持ちよさそうに休んでいます。休み方もさまざまで、丸太の上で4本の脚をすべて投げ出し、布団を干しているように休むこともあれば、いわゆる「お座り」の姿勢で舟をこいでいたりすることもあります。それを見た来園者から「あんなところで寝ているけど大丈夫なのですか?」「さっきからウトウトして落ちそうなのですが」と心配されることもしばしば。

 もともとアムールヒョウは木の上で狩りや休息、食事を取ることが多い動物です。旭山動物園でも丸太の上を走ったり、地面から壁を二蹴りほどして楽々と丸太へ飛び移る程の身体能力を持っています。丸太の上でじっとすることくらいたやすいのかもしれません。また、木の上にいる方が地面からの敵から襲われにくい、動物園ならば職員ら人間からの視線を感じにくい場所。見晴らしが良く他者の動きが把握しやすいため、精神的にも身体的にも安心して寝ているのかもしれません。

 木の上で寝ているときは、足の裏や腹部などを観察するチャンスです。そんなチャンスを狙ってじっとアムールヒョウの前で立ち止まっていろいろな角度から観察してみると新たな発見もあるかもしれません。

 野生下では、アムールヒョウは数十頭しか生息していません。ロシアの森の中でアムールヒョウを見ることは非常に困難ですが、旭山動物園なら確実に見ることができます。アムールヒョウを実際に見て、身体能力や柔軟性、迫力を肌で感じていただき、野生動物のことを知っていただけるとうれしいです。
(もうじゅう館・フラミンゴ担当 若山晃暉)
 

【写真説明】丸太の上に寝そべり、くつろぐアムールヒョウ
(2023年3月20日掲載)
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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