北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


石川千賀男(旭川・公益財団法人理事長)*一期一会

 ひと月に1度の「放下茶会(ほうげちゃかい)」に参加し、感じたことがあります。それは人と人の出会いです。皆さんは、気軽に「こんにちは」と声を掛けられる人が何人いますか。

 太陽系には惑星や準惑星があり、無数の恒星があります。一説には、その中で人間が居住可能な星が400億もあるそうです。地球の人口は約78億人で、日本は約1億2500万人、北海道は約520万人。その中で皆さんが一生に出会える人はどれだけいるでしょうか。

 つまり、何げない出会いも含めて、人と人の出会いはとても貴重なものなのです。「一期一会」とは、毎日顔を合わせる家族をはじめ、友人や職場の皆さん、初めて会う人たち、全ての人たちに対して、今日が最期という気持ちで誠心誠意、真心を込めて接すること。これが本当の「一期一会」という意味と理解しています。

 だからこそ、巡り合わせていただいた貴重な出会いを感謝し、大切にしましょう。私は放下茶会に参加するまで、とても窮屈な作法があり、堅苦しいものだと思っていました。実際は初めての人でも、無理なく行え、とても楽しい時間でした。日本古来の茶の道とは、老若男女関係なく、心と心が触れ合う、すてきなひとときだったのだと理解しました。

 

(2021年11月8日掲載)

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP