北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


國枝保幸(市立稚内病院長)*新型コロナウイルス

 新型コロナウイルス感染症が発生し、世界を混沌(こんとん)に陥れることになろうとは想像もできませんでした。緊急事態宣言がようやく解除となり、息苦しさは軽くなりましたが、予断を許さない状況がしばらくは続きそうです。
 感染はパンデミック(世界的大流行)の様相となり、世の中からマスクが消えてなくなるとともに、世界の医療現場の疲弊と崩壊が報道されるようになりました。その頃からでしょうか、現場で頑張る医療従事者を応援する声が、世界中から発信されるようになったのは…。
 感染者が当院にも入院することになりましたが、その直後に道内菓子メーカーから差し入れが届き、病院医局で感嘆の声が上がったのは印象的な出来事でした。今まで経験したことがなかったからです。
 その後も市内の事業者をはじめ、道内外からたくさんの応援があり、芸能プロダクションの応援プロジェクトなどから医療支援物資が届いたほか、地元の幼稚園児などから心温まる応援メッセージもいただきました。これだけたくさんの方々から応援をしてもらうのは、私が医者になってから四半世紀が過ぎて、初めての経験です。
 叱られることが当たり前で褒められることにはあまり慣れていないので、うれしさはなおさらです。
(2020年6月29日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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