北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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みんなの放課後

「放課後」とは、勉強や仕事などの本業以外に過ごす時間のこと。 スポーツや文化活動など夢中になれる“何か”に真剣に打ち込んでいるチームや団体の皆さんを、ジャンルや老若男女を問わず紹介していきます。


Vol.62 横しまの絆は永遠。 仲間と熱く、たくましく! ・・・ 「旭川ラグビースクール」

 

来たる2019年、日本で初めてラグビーのワールドカップが開催されます。世界トップレベルの試合を北海道でも観戦できるとあって期待が高まる中、未来の日本代表を夢見る小中学生が集う「旭川ラグビースクール」の練習風景をのぞいてみました。

 

 

この夏もっとも気温が上がった日曜日。石狩川河川敷の花咲ラグビーグラウンドでは朝から、ラグビージャージに身を包んだ少年少女たちが集まっていました。日よけテントの下で水分を用意するお母さんたちが暑さに悲鳴をあげる中、子どもたちはコーチの掛け声に応えて元気よく体を動かしていきます。

 

 

「旭川ラグビースクール」は1983年に設立。現在は女子4人を含む小学生33人、中学生10人が共に汗を流します。「留萌から毎週通う子がいたり、今回は稚内から兄弟で体験に来たりなど、遠くから足を運んでいただくことも珍しくありませんね」と話すのは、スクール主務の若松彰彦さん。口コミでの入会がほとんどで、父親が経験者というお子さんも多いそう。「ラグビーは、一度やると一生離れられないと言われるほど魅力のあるスポーツです。毎回10人以上いるコーチのボランティアも、多くがお父さん方なんですよ」。

 

 

幼児・小学校低学年、中学年、高学年、そして中学生とグループ分けし、体の発達度合いや習熟度に合わせた練習メニューを用意。低学年はまずボールに慣れること、中学年は競技特有の動きに合わせて運動能力を高め、高学年はチームプレーの習得に時間を割きます。不規則な動きのボールに声をあげる子どもたち、そしてそれを見守るコーチたちの優しいまなざし。「ラグビーの楽しさを伝えたい」という思いが、しっかり子どもたちに伝わっているようでした。

 

練習は毎週日曜9時半から12時まで。
体験希望等のお問い合わせについては
ホームページ

(https://rugby.0166.co.jp/)
をご確認ください。

 


安全第一で自主性を磨く

旭川ラグビースクール 主務
若松 彰彦さん(わかまつ あきひこ)

低年齢のお子さんが多く、小学校中学年からはタックルなどの接触も出てくるので、安全面を何より重視しています。今は世界的に競技の安全面への意識が高まっており、コーチ陣も常に勉強しているところですね。 また、本校の基本理念として、子どもたちの自主性を育てる指導を心掛けています。上から目線で指示を出すのではなく、「こうすればみんなのためになるんだ」と子どもたちが自分で気づいて動けるよう、常に「小さな大人」として接することが大事だと考えています。とにかくラグビーが好きになって、ずっと続けてくれることが私たちの喜びです。

 


 

合同練習を重ねて築く、強い信頼

個人対個人の能力では多少劣っていたとしても、チームとして機能すれば強豪とも互角以上に戦うことができる。これは、2015年のラグビーW杯で日本代表が示した道。強豪南アフリカに勝利し、「史上最大の番狂わせ」と海外メディアに報じられたことでラグビーに興味を持った方も多いのではないでしょうか。

 

ラグビーはサッカーや野球などに比べて競技人口が少なく、地域で単独チームを作ることが困難な実情があります。中学生は1チーム12人で構成しますが、体力や技術の面から2、3年生で12人いないと、チームとして機能させるのは困難。そこで、近隣エリアの選手が集まり、合同チームを作って大会等に参加するのが一般的となっています。

 


星敏幸(ほし としゆき)コーチ

旭川でも単独で中学生チームを結成できないことから、北見や遠軽の選手と合同でチームを組み、それぞれの地へ頻繁に遠征して練習を重ねています。「ラグビーは団体競技ですから、即席チームで強くなることはできません。一緒に練習を重ねて信頼関係を築き、心を合わせることで1+1が何十もの力を生むのです」と星敏幸コーチは話します。

訪れたこの日は北海道選手権大会に向けた合宿の2日目。暑さと疲れの中でもひたむきにボールを追いチームワークを育む姿に、日本ラグビーの明るい未来を感じた一日でした。

 

ななかまど紙面でご紹介できなかった練習風景をもうちょっと公開!▶︎▶︎▶︎

  

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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