北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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こちら、ななかまど編集部


Vol.01 いきなり道北卵サミット!


旭川近郊から集めた平飼い養鶏場の卵

 

ななかまど編集部会議にて
「おいしい卵かけごはんが食べたい」


意見交換をするななかまど編集スタッフ

 

ある日のななかまど編集部会議で編集長が叫んだ。「おいしい卵かけごはんが食べたい!!」と。おいしいもの大好きな編集スタッフは「いいね〜」と、皆口を揃える。そんな会話の中から「ななかまど・道北卵サミット」がスタートした。早い話、卵かけごはんを食べ比べて「おいし〜」と叫ぶ、食いしん坊の集まりなのだが、地域の優れた食を知ることはメディアに関わる者にとって重要な取り組みに違いはない。

 

「アニマルウェルフェア」に
寄り添う卵を探せ

卵かけごはんがおいしくなる卵を探す基準を考えていたら「アニマルウェルフェア」という言葉に出会った。家畜のストレスを減らし、快適で疾病も減らす飼養管理をしていこうというものだ。提言しているのが1924年にパリで発足された「国際獣疫事務局(OIE)」だ。現在日本もOIEに加盟し、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の普及に努めている。大きな柱として「5つの自由①飢え、渇き及び栄養不良からの自由②恐怖及び苦悩からの自由③物理的及び熱の不快からの自由④苦痛、傷害及び疾病からの自由⑤通常の行動様式を発現する自由」が提言されている。「経済動物」という言葉で表現されやすい家畜は、その尊厳がないがしろにされるケースも少なくなかった。今から20年以上前、遠軽町白滝で畜産業を営む「トゥリリアム・オカダ・ファーム」の岡田ミナ子さんが「幸せな豚はおいしい〜夢は牧場の風にのせて〜」という本を執筆した。伸び伸びと放牧された豚たちの話だ。「アニマルウェルフェア」とは、たとえばそんなことなのかもしれない。

 

「持続可能なオリンピック」を掲げたロンドン五輪以降、オリンピックの選手村などで使われる肉や卵、ミルクなどの畜産物は「アニマルウェルフェア」の基準をクリアしたものが使われるようになってきた。動物によってその基準は様々だが、養鶏においては放し飼いや平飼いの鶏舎を条件のひとつにしていた。日本では狭いケージ飼育が主流なため、東京五輪は構造及び飼養スペースについてケージ方式を基本とする方針だという。ちょっと残念な気がする。ならば、「道北卵サミット」では平飼いで、出来る限り「アニマルウェルフェア」の考え方に沿った養鶏場を探そうじゃないか。

 

いよいよ道北卵サミット開催!


新鮮な卵は白身の張りも違う。卵の風味があるのでしょうゆなしでも十分おいしい。

 

いざ探してみると、ここ数年で平飼いの養鶏場が次々に閉鎖していることが分かった。経費や手間がかかる平飼い養鶏は、経営も大変なようだ。そんな中旭川近郊で出会えた3箇所の平飼い養鶏場の卵を揃え、4月19日、「道北卵サミット」が開催された。会場にはお米のプロ「上森米穀店」の鳥越弘嗣さんが、卵かけごはんに最適なごはんを炊いて特別参加してくれた。創業200年を誇る醤油蔵の無添加本醸造しょうゆも用意した。「あっさりしてるのに味がある!」。「濃厚!」。「白身に味がある!」。「ごはんうめ〜」等々、歓声が飛び交う会場。普段食べている卵と比べ臭いや味にクセがなく、深い味わいがあることを体験できたサミットとなった。

 

「卵で終わるのはもったいない」。そんな言葉で締めくくった「道北卵サミット」。旭川近郊にはまだまだ優れた食材が豊富にある。「道北グルメサミット」にスキルアップさせ、旭川近郊の食を見つけ続けていきたいと思う。(文/ミニぐるめ君)

 

 


 

ご協力いただいた
3件の平飼い養鶏場さん

 

深川市 就労支援センター青空さん
「あかときたまご」


●卵かけごはんで食べてみた感想●
あつを/白身がうまい。一番サッパリした味わい。
水上/味がしつこくなく、あっさりしていておいしかった。
濱谷/白身に味がついている感じで、しょうゆ無しで十分おいしい。

 

障害者支援施設が運営する養鶏場。道産小麦をはじめ16種類の原料を全て混ぜ合わせ発酵した飼料を1年中与えている。ガーリックパウダーも与えているので体力があり、体の大きな個体が多いのが特徴。水は新鮮な天然水で、抗生物質などの薬剤は一切不使用。

 


ボリスブラウン

【自家配合飼料】[道産]小麦、小米、魚粉、ホタテ貝殻、[国産]野菜[米産]ポップコーン、ガーリックパウダーなど16種類

 

就労支援センター青空

深川市納内町2丁目1番48号
TEL 0164-24-3450
●配達/深川市内※1ケース[10個入り]から
●地方発送/可
●購入場所/道の駅ライスランドふかがわ(深川)、ホクレンショップ東光店(旭川) など

http://www.akatoki.jp/aozora/

 


東川町 ファームレラさん
「大雪なたまご」


●卵かけごはんで食べてみた感想●
高松/お米の味が引き立つ美味しさで、後から卵の味がグイグイくる。
うご/味はしっかりと主張しながら、透明感のある味わいを感じる。
富樫/なめらかで優しくクリーミーな味わい。黄身がこんなに白い卵初めて。

 

カフェも営む養鶏場。ヒナの時には木炭、笹、米酢などを与え、腸内バランスを整えている。卵を産むようになっても、飼料は素性のわかる原材料のみを使用。法定ワクチン以外の薬剤や、黄色の色を濃くする着色料、白身をふっくらさせる添加物も一切不使用。水は大雪山の伏流水。

 


ボリスブラウン

【自家配合飼料】[道産]小麦、くず米・米ぬか、魚粉(酸化防止剤無添加)、ホタテ貝殻、野菜(主に東川)、大豆

 

ファームレラ

上川郡東川町東4号北2番地
TEL 090-9524-5320
●配達/一時中止中、新規受付中止中
●地方発送/可
●購入場所/ホクレンショップひがしかわ店(東川)、旭川市内コープさっぽろ5店舗 など

http://farmrera.com/

 


士別市 ファームあるむさん
「昔ながらの庭先たまご」


●卵かけごはんで食べてみた感想●
倉内/粘りけが強く、濃い!
矢筈野/一番濃厚で味もしっかり。「卵かけごはん食ったな〜」と実感。
さなとも/とろりとして濃厚!
加藤/3つの中では一番濃い。味がしっかりあって美味しかったです。

 

大阪出身のご夫婦が経営する養鶏場。ヒナの時から飼料は大豆を炊くところから手づくり。小麦やカボチャ、牧草のサイレージを中心に、士別で手に入る規格外の農産物を活用。水は農場から湧き出る天然水で、抗生物質などの薬剤は一切不使用。黄身が大きいのが特徴。

 


ネラ、ホシノブラック

【自家配合飼料】[道産]小麦、大豆、小米、米ぬか、カボチャ、ジャガイモ、牧草、畑のやさい、魚粉(酸化防止剤無添加)、ホタテ貝殻 [国産]塩

 

ファームあるむ

士別市上士別町24線南58
TEL 0165-24-2262
●配達/士別市内※1パック[10個入り]から
●地方発送/可
●購入場所/JA北ひびき直売所ひびきあい(士別)、士別inn翠月(士別) など

http://farm-armu.com/

 


卵かけごはんの「ごはん」を
提供してくれたのは
上森米穀店・三代目 鳥越弘嗣 さん

1945(昭和20)年創業の「上森米穀店」の三代目で“ごはん認定ソムリエ”の鳥越さん。今回は「きらら397」と「ゆめぴりか」をブレンドした「卵かけごはん用」のごはんを炊いてご提供いただきました。卵かけごはん用は2合648円(1kg単位で購入も可能)で販売中。このほか様々なブレンド米にも対応しているので、ぜひお問合せを。

 

合同会社 上森米穀店

旭川市1条通21丁目1974-132
TEL 0166-31-5994
[時間]9:00〜18:00
[休]日・祝日、年末年始

http://www.himiko21.com/

 

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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