だれの戒名でしょうか？

①勝満
②東照大権現安国院殿徳蓮社崇誉道和大居士
③立川雲黒齋家元勝手居士

お寺離れや葬儀の小規模化の傾向が続く中でも、葬儀の９割以上は仏式で行われています。故人が仏の世界に入るには戒名（法名など）という名前が必要になります。

しかし、お寺との関係を葬儀のみ、もしくは、四十九日や一周忌までと考え、戒名も不要だと言う人が増えました。最近は位牌を生前の名前で作りたいという要望も少なくありません。生前の名前の方がなじみがあるし、お布施の額で戒名のランクが決まることに違和感があるのも理由のようです。

さて、クイズ内①の答えは聖武天皇です。奈良の大仏を建立した天皇でさえ二文字でしたから、戒名は元来二文字だったことがわかります。その後、信仰心や虚栄心、また、お寺の懐事情などで、文字数が多いほど位が高く、お布施も高いという形になったようです。

②の日本一長い戒名は徳川家康。桁はずれな権力と富の証明でしょう。③の「ウンコクサイ」という型破りな戒名は立川談志さん。自ら戒名を付け「坊主は呼ぶな」の遺言を残したため、菩提寺にある先祖代々の墓に入れず、家族が苦労したそうです。

談志さんほど逆らわず、家康さんほどこだわらず、聖武天皇に倣って、シンプルに二文字の戒名もいいかもしれません。

合同会社颯葬　代表森裕子さん

終活相談ネットワーク主宰。札幌消費者協会「イキイキ終活研究会」副代表を務める。

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