動物と、人と、しあわせと。
獣医師、動物看護師、しつけインストラクター、動物病院従事者が中心となって、専門的視点に立って、人と動物の愛を護る活動をするNPO手と手の森と旭川市動物愛護センター『あにまある』からお届けする動物と人とのお話です。
Vol.077 自分のうちのコを守る
犬には「自分が安全だと思う距離感(セーフティーゾーン)」が存在します。安全ではないと犬自身が判断した場合、
①フリーズして固まる
②その刺激から離れようと逃げる
③それでもダメならその刺激と戦う(つまり吠えや咬みという 行動)
というような行動に出てしまいます。
子犬の頃の社会化の目的は、この距離をできるだけ小さくし、様々な刺激に対して過剰反応しないコに育てることです。そしてストレスがかかった時に自分をコントロールし、そのような状態から自らを回復させる力をも身につけさせることでもあります。それでも100%大丈夫な状態にするのは残念ながら不可能ですし、また犬が安全だと思える距離は、「状況、年齢、精神状態、相手の刺激の程度など」によってその都度異なってきます。ではどうしたらいいのでしょうか?
答えは…「犬の反応や行動を観察する」これに尽きます。犬にとって苦手な刺激が近づいて来たと判断した時、「ごめんなさい!うちのコには距離が必要なんです!」この言葉を相手に伝えることができますか?「セーフティーゾーンの確保」と「飼い主の観察力」。この2点を意識できれば、ある程度の解決ははかれるはずです。
協力:緑の森どうぶつ病院
旭川市旭神3条2丁目
TEL 0166-60-5866
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