どうほく談話室
「マジシャンごっちん」こと後藤圭太さん(35)

故郷士別に戻り活動5年目*笑顔になれる魔法 観客に
ハンカチが一瞬にしてステッキに変わり、真っ赤なボールが瞬間移動する。「マジシャンごっちん」こと後藤圭太さん(35)が東京から故郷の士別に戻って5年目。「世界一、笑顔になれる魔法をあなたに!」をキャッチフレーズに、不思議なひとときを演出する。道北では数少ないプロの手品師を訪ねた。
―どんなマジックが得意ですか。
「テーブルマジックです。舞台で演じるステージマジックとは違い、お客さんの目の前で会話を交えつつ披露します。お借りしたペンが空中に消えたり、また出てきたり。驚いてもらうのが好きなんです」
―マジックを始めたきっかけは何ですか。
「中学1年の終わりごろ、体調を崩し落ち込んでいた時、テレビの特番に魅了されました。著名マジシャンの指導でトランプに挑戦した芸人さんが、札がカードの束の中を自在に上下する『エレベーターカード』を成功させたのです。『自分にもできるかも』と思いました」
―どうやって覚えたのですか。
「テレビ録画をスロー再生し、見よう見まねでひたすら練習しました。ある日、家族の前で披露したら『すごいね!』と喜んでくれたんです。マジックは『笑顔になれる魔法』。図書館で本を借り、テレビ、DVD、インターネットなど何でも参考にしました。雰囲気作りも意識しました。どんなBGMを流し、どう話して気分を盛り上げるか。たくさんのプロの方々が、僕の先生です」
―大学進学後もマジック熱は変わらなかったのでしょうか。
「大学ではマジックサークルで腕を磨き、卒業後はマジック団体を立ち上げました。見慣れた場所で幻想的な世界を感じてもらおうと、地域のまちづくり団体と協力し、居酒屋などを突然訪問して演じることもしました。ただ、新型コロナウイルスの影響で活動できなくなり、故郷に戻りました」
―現在の活動は。
「地域のイベントに呼んでもらったり、マジック教室の先生を務めたりしています。中学校での『実験マジック』では、理科を好きになるきっかけを感じてもらえたのではと思います。今年は自ら企画した『マジックライブ』を実施しました。お客さんに簡単な手品を覚えてもらい、ちょっとした練習でできる自作の手品グッズもプレゼントしています。『すごいね』『すてきだね』と言ってもらえるマジックの世界に足を踏み入れる機会になればと思います」
(聞き手・佐藤元治)
*取材後記
「大切なのは、おまじないです」。和寒町教育委員会が7月下旬に開いた「マジック体験教室」で、講師の後藤さんは不思議さを共有する雰囲気づくりの大切さを説いた。後藤さんにとってマジックはコミュニケーション手段の一つ。さらに自尊心も育ててくれるという。楽しい時間を共有するマジシャンごっちんの活動に、今後も注目したい。
ごとう・けいた 1991年、士別市生まれ。創価大でサークル「Soka Magician’s Program」に所属。マジックグループ「ヒパヒパ」代表を務める。2022年に士別に戻り、観客参加型のマジックショーを重ねる。
(2026年08月24日掲載)
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