どうほく談話室
羽幌で卓球クラブチーム発足目指す 内田一誠さん(59)

中学校の部活 地域移行の展望は*学年の垣根越え成長の場に
【羽幌】公立中学の部活動を民間団体に委ねる地域移行に関連し、町内で卓球のクラブチームを作る動きが進んでいる。その中心人物で、昨年からスポーツ振興担当の地域おこし協力隊員を務める内田一誠さん(59)は、卓球の普及に取り組み、今年から羽幌中の外部指導員を務めるなど精力的に活動している。今後の展望と課題を聞いた。
―地域おこし協力隊として、1年目の活動はいかがでしたか。
「スポーツ振興を担当する協力隊員は少なく、信頼関係をつくるところから始めました。競技レベルの異なる三つの卓球サークルに関わらせてもらうとともに、スポーツの体験イベントを開いて卓球に触れてもらう機会を作りました。活動を知った羽幌中から昨年末に打診を受け、週2回程度指導をしています」
―国は部活動の地域移行を進めています。
「もともとは教員の働き方改革の一環です。競技経験のない教諭がやむを得ず顧問を務める場合、生徒は深い質問ができません。未経験者の指導には限界があります」
―留萌管内でも団体競技で部員不足に悩む学校が少なくありません。
「羽幌では一部の競技で地域移行が進んでいます。例えば野球の場合、留萌市とそれ以外の自治体ですみ分けができており、市外の小中学生は羽幌のクラブチームでプレーする環境が整っています。一種のモデルケースです」
―卓球はどのようなクラブチームにしたいですか。
「羽幌や近隣で卓球に興味のある小中高生が本格的に競技に取り組むことができ、上級生が下級生に教えることなどを通じ、互いに成長できる環境をつくりたいです。教えるには理屈や動きを知る必要がありますし、指導を任されることは自信につながります。大人の卓球サークルのメンバーも指導に入ることで、生涯教育の場にできればと考えています」
―立ち上げの時期と課題はどのように考えていますか。
「来年度には立ち上げの準備は終わらせたいです。成功例として、NPO法人が運営する総合型スポーツクラブがあります。煩雑な事務手続きなどは職員が引き受け、指導者は教えることに専念できる体制になっています。課題は報酬制度です。後継者を育て、持続可能な組織にするには不可欠です。会場の使用料や交通費などを指導者が持ち出さなくて済むように、せめてマイナスにならないような仕組みが必要だと考えます」(聞き手・須田幹生)
*取材後記
温和な雰囲気で取材に対応してもらったこともあり、羽幌中での熱のこもった指導とのギャップが印象に残った。普及に取り組む根底には、中学時代に全道大会を制して自信を持ち、その波及効果で勉強にも熱が入るようになった自身の実体験があるという。スポーツの可能性と潜在力の大きさを改めて感じた。内田さんのこれからの取り組みを追い続けたいと思う。
うちだ・いっせい 1966年生まれ。帯広柏葉高、法政大を卒業後、北海道銀行や星槎道都大などで勤務する傍ら、卓球の指導に携わってきた。2025年に羽幌町の地域おこし協力隊員に着任。中学2年時には、中体連新人戦の全道大会で優勝した経験がある。
(2026年08月10日掲載)
※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


