北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

どうほく談話室


日本カーリング協会名誉会長 貝森輝幸さん(77)

12年間の会長退任 歩みと競技の展望は*稚内を北見と並ぶ聖地に

 日本カーリング協会会長を6期12年務めた貝森輝幸さん(77)=稚内市在住=が8月、任期満了で退任した。稚内や北海道のカーリング協会でも会長を務めた貝森さんに、これまでの歩みやカーリング界の展望を聞いた。

 

 ―カーリングとの出合いは。

 「1982年、カナダからカーリング選手を招き、稚内市内で開かれた体験会に参加したのが最初です。建設業の仕事が減る冬のしばれの中でできるカーリングは、各地の農家や漁業者など愛好家と交流できるのが楽しかった。その後、選手の力になることができればと、協会の役員も引き受けるようになりました」

 

 ―2014年に日本カーリング協会の会長に就任しました。

 「稚内協会の会長や北海道協会の理事を経て、当時は道協会副会長でした。五輪でのメダル獲得を目指す中で、強豪チームが多い北海道から日本協会会長を、と打診があり、引き受けました」

 

 ―会長として最も力を入れてきたことは。

 「何よりも選手が練習に打ち込め、愛好者も楽しめるような施設と環境を整えることです。屋内で通年使えるカーリング場を整備してもらえるよう、各地の自治体に要望しました。稚内では20年に新カーリング場を中核とするみどりスポーツパークがオープンしました。国際基準を満たした4シートを備え、製氷技術も優れています。国内でもトップクラスのカーリング場だと思います」

 

 ―任期中、平昌、北京、ミラノ・コルティナの冬季五輪がありました。印象に残っているのは。

 「何と言っても、女子代表LS北見(当時)が日本初の銅メダルを獲得した平昌です。長年の悲願を達成しましたし、私が会長に就任してから最初の五輪でもありました。『そだねー』『もぐもぐタイム』などが話題となり、世間のカーリングへの関心も高まりました」

 

 ―日本カーリング界の課題は。

 「女子のイメージが強いと思いますが、男子や男女2人一組で戦うミックスダブルス(MD)も、世界ランキング上位で実力は十分です。3種目そろって五輪メダルを獲得するのも、夢ではない。新たに設置した強化戦略室のもと、さらなる強化育成が必要です」

 

 ―稚内のカーリング界についてはどう見ていますか。

 「北見市と並ぶカーリングの聖地になってほしい。現在は市内の小中高の多くが冬季にカーリングの授業を取り入れています。幼いころからカーリングに親しんだ子どもたちの中から稚内出身の五輪メダリストが現れることが私の夢です」(聞き手・鈴木優)

 

*取材後記

 貝森さんの物静かな語りの奥には、カーリングへの深い愛と情熱を感じた。平昌五輪に帯同した際、女子代表には「平常心で今までの成果を出して」と激励したという。

 みどりスポーツパークがカーラーの「聖地」となり、本土最北の地から日本を代表するカーラーを輩出する―。稚内市が北見市と並ぶ「カーリングのマチ」と呼ばれる日を私も夢見たい。

 

 かいもり・てるゆき 1949年、豊富町生まれ稚内市育ち。稚内カーリング協会会長、北海道カーリング協会副会長などを経て、2014年から日本カーリング協会と道協会の会長を務めた。9月に日本協会の名誉会長に就任。稚内市の建設業「錦産業」会長も務める。

(2026年09月21日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP