石川千賀男（旭川・公益財団法人理事長）＊未来のリーダーの条件

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　３月末で４３年勤めた建築設計事務所の会長を退き、４月から次男が経営する会社の会長を務めています。経営者の立場から見て、上手に部下を動かし、組織として、機能を発揮させる幹部社員にはいくつかの共通点があります。

　１番目のポイントはギブアップしないこと。一度やると決めたことは最後までやり抜くという積極的な姿勢。２番目は人の悪口を言わない、言わせないこと。仲間の悪口を言うような職場ではワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）の日本代表のような連係プレーはできません。

　３番目はごまかさないこと。人を動かすベースになるのは信頼です。自分の立場を守るために部下をだましたり、上司に虚偽の報告をする。見ていないようで部下はこのような行為をよく観察しているものです。

　４番目は、理詰めで部下を追い込んではいけないこと。むしろ理屈抜きで、ガツンと雷を落としたほうが部下も上司に好感を持ち、次につながります。５番目は休まないこと。どんなことがあっても休まないという信頼が多くの社員、得意先からの人望につながります。人を動かす秘訣（ひけつ）は聞き上手になること。部下が話しかけてきたら、相づちを打ち、親身になって話を聞く。そして思いを共有し、部下との強い信頼の絆を築き上げていきましょう。
　
（２０２３年６月１９日掲載）
　

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。