嶋崎暁啓（豊富町・自然ガイド）＊小規模校の星

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　先日、豊富町立兜沼小中学校の開校記念日に、講師としてお招きいただいた。全校児童と学校敷地内の林を歩いて、身近な自然を観察するというものだった。とにかく自然度の高さに驚いた。オオバナノエンレイソウやニリンソウなど１０種類以上の野生の花々が咲き誇り、エゾリスの食痕などもあり、じっくり見ているうちにあっという間に時間が過ぎた。

　子供たちは普段から自然に親しんでいるようだった。何より、上級生が下級生の面倒をよく見ており、児童同士や先生方とのつながりが強く深く、明るい雰囲気が本当に素晴らしかった。

　実は兜沼小中学校は数年前には児童数の減少で廃校の危機にあった。しかし、地域の人々や学校関係者の熱意と英断で小規模特認校になってからは、少人数だからこそできる特色ある授業と、きめ細やかな指導で人気を集めている。今では学区外からの転校生も増えて児童数は右肩上がりに増加中だ。

　自然豊かな地域の特性を生かした柔軟性に富む授業内容は先進的で、道北の小規模校にとっては、間違いなくモデルになる学校の一つだろう。
　自然の中でのびのびと学びを深める子供たち。これからの彼らの成長がとても楽しみだ。
　
（２０２２年５月１６日掲載）
　
　

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。