北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


柴田えみ子(旭川・尊厳死協会道支部理事)*年寄り扱い

 私の行動の基準は、できるかできないかではなく、興味があるかないか。単純に「面白そう!」で動くので挫折もたくさんあり、ちょっとやそっとではめげない体質になってしまいました。結果、ますます何にでも無謀に挑戦するという図式が成り立っています。

 しかし、74歳の私には「もう年なのに」とか「年なんだから」と外野がうるさいのです。山歩きをするとクマの餌食になると驚かされ、スキーをやると骨を折ると心配され、旭岳をスノーシューで歩くと遭難すると本気でとめられます。

 「外部評価調査員」の勉強を始めた時は「頭が壊れる」とまで言われました。確かに壊れそうになりましたが。それでも資格を手にし、コロナ禍で尊厳死の講演ができない中、今は新しい世界に挑戦できています。

 70歳を過ぎると途端に年寄り扱いされ、どうかすると自分までその気になってしまいますが、心配してじっと生きる日々の何ともったいないことか。本当のところ明日は来てみなければ分かりません。どんなに用心しても人間、転ぶ時は転ぶ。死ぬ時は死ぬのです。

 私が何かをやめる時は、「年だから」ではなく気力がなくなった時。これからも年齢を言い訳にせず、好きなことに挑戦しよう。でもお調子者の私。子供には、年寄りはいたわるもんだよと平気で言っています。

 

(2021年10月19日掲載)

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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