北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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動物と、人と、しあわせと。

獣医師、動物看護師、しつけインストラクター、動物病院従事者が中心となって、専門的視点に立って、人と動物の愛を護る活動をするNPO手と手の森と旭川市動物愛護センター『あにまある』からお届けする動物と人とのお話です。


Vol.70 ぽっちゃりネコさんはご用心!

 

猫の適正体重は、猫の種類や体型、骨量によっての差がありますが、適正とされる体重の15%以上超えると、身体に悪影響が出る「肥満」と判断されます。

 

猫が肥満になると、心臓や血管に負担がかかり、循環器系の病気(心肥大、心不全、高血圧)のリスクが高まります。また、皮下脂肪が増えると、皮膚への栄養血管にも負担がかかり、皮膚病になりやすくなったり、キズが治りにくくなったりします。

 

さらに、体重が増えると関節への負担もかかります。関節炎や椎間板ヘルニア、靱帯断裂など、猫らしい俊敏な動きができなくなり、ますます肥満に拍車がかかる、負のスパイラルに陥ってしまいます。

 

人間の肥満によるリスクと、同じといって過言ではありません。しかし人間と違い、猫は話せませんし、一人で病院に行くこともできません。だからこそ飼い主による体重管理が重要となります。

 

ただし猫のダイエットは急激に行うことはとても危険です。人間の場合は、水分摂取できていれば数日間の絶食は可能ですが、猫の場合は注意が必要で、特に肥満気味の猫の場合、絶食によって「肝リピドーシス(脂肪肝)」を引き起こす可能性があります。肝リピドーシスとは、絶食によるエネルギー不足によって、過剰な脂肪が肝臓に蓄積し、肝機能障害を起こす病気です。

 

こういう状態にしないためにも、ダイエットは自己判断ではなく、かかりつけの動物病院に相談しながら慎重に行ってくださいね。

 

 

協力:緑の森どうぶつ病院

旭川市旭神3条2丁目
TEL 0166-60–5866

https://midorino-mori.jp

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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