道内酒造大手の男山(旭川)で、新酒の仕込み作業が本格化している。米国などへの輸出が好調で、今季は昨季より1割多い原酒770キロリットル、一升瓶(1800ミリリットル)換算で43万本を仕込む。新酒は12月中旬から店頭に並ぶ予定だ。
同社では気温が低く、雑菌が少ない秋から翌年春にかけて1年間に売る日本酒を全て仕込む。11月14日には旭川市永山産の酒造好適米「吟風」約1トンを蒸し、3日前に仕込み始めた10トンのタンクに追加。甘い果物のような香りが漂う中、均一に発酵が進むように蔵人が4メートルの「かい棒」を使って深さ2.5メートルのタンク内をかき混ぜていた。
杜氏(とうじ)の北村秀文製造部長(58)は「昨年のコメは高温の影響を受けて硬かったが、今年は農家さんの努力で質はいい。軽い飲み口の日本酒を目指したい」と話した。
同社の売店(永山2の7)では25日に「今朝ノ酒」として、その日絞った新酒を数量限定で発売する。12月13日からは一般販売の新酒が小売店に並ぶ。また昨季製造した日本酒をブレンドし、格安で販売する「好都合」も11月15日から道内限定で販売する。(鈴木誠)
【写真説明】かい棒でタンク内をかき混ぜる蔵人(伊丹恒撮影)
(2024年11月15日掲載)