北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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スポーツ


41*できることを前向きに

 東京五輪・パラリンピックの代表選手内定の発表が増える中、開催の是非に関するアスリートたちの発言に注目が集まっている。「開催してほしい」と皆が思っているはずだ。正確に言えば「出場したい」と強く願っている。大舞台に向け、何年も何十年も練習を重ねてきたアスリートにとって、目標は簡単に変えられるものではない。強い気持ちがあるからこそ、見ている人たちに感動を与えられるのだ。

 何が何でも開催してほしいと思っているわけではない。新型コロナウイルス感染拡大が収束していない状況。「中止になるのではないか」という懸念が頭の隅にあるかもしれないが、今は絶対に諦めない。わずかでも可能性があるならば、日々できることを最大限努力し、挑戦し続けるのがアスリートだからだ。

 新型コロナで多くの尊い命が失われた。ワクチン接種が始まり、少しずつだが希望が見えてきているように感じる。五輪開幕まで2カ月、パラリンピックまで3カ月。障害があるアスリートの姿が示すのは、「できない」ということではなく、「どうやったらできるか」だ。プレーを見る人たちの気持ちは、きっと前向きになると思う。

 東京五輪・パラリンピックを開催することができれば、未来に希望を与えられるような大会になってほしい。(バンクーバー冬季パラリンピック・パラアイスホッケー銀メダリスト、北海道新聞パラスポーツアドバイザー)

(2021年5月23日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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