北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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今週の一枚


道内2度目 緊急事態*宣言初日 人影まばら*嘆く飲食店「補償は」/市民「最後と思って」 (5/17)

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、北海道に2度目の緊急事態宣言が発令された5月16日、道内各地の繁華街は閑散となった。特に厳しい対策がとられた札幌市を含む石狩管内と小樽、旭川両市では、酒類を提供する飲食店の多くが道の要請に応じて休業した。それ以外の地域も飲食店は午後8時までの時短営業を求められ、日中の人影もまばら。飲食店関係者からは「経済的影響が大きい」「せめて準備期間がほしかった」との嘆きが漏れた。

 「1週間で全てが変わってしまった。行政に振り回されている」。小樽市を代表する観光地、堺町通り商店街の海鮮丼店「おたる蝦夷屋(えぞや)」の山本一彦社長(52)は、ため息をついた。

 小樽、旭川両市は宣言の前段階の「まん延防止等重点措置」が適用されると思われたが、政府が方針を一転し、酒類提供店は時短ではなく、休業要請の対象になった。商店街振興組合の専務理事でもある山本社長は「物販店への支援が全くない。観光地全体を支える枠組みが必要」と訴えた。

 旭川市の繁華街「3・6街」では16日夜、居酒屋やスナックなど大半の店に臨時休業を知らせる紙が張られた。居酒屋「六番目」の店主佐藤三男さん(71)は「食材の仕入れと予約があったので今日は開けるが、明日からは休業。酒が出せないなら、店を開ける意味がない」と肩を落とした。市内のコンビニエンスストアで働く坂田郁美さん(28)は「旭川でも感染が広がっていると実感する。これを最後だと思い、重く受け止めたい」と話した。

 札幌市内の大型百貨店には土日の休業要請が出たが、16日には準備が間に合わず、時短営業した店が目立った。札幌三越に買い物に来た中央区の主婦大平律子さん(89)は「店内はがらがら。定期購入している化粧品を受け取り、すぐ帰る。近くのスーパーに行く回数も減らす」と話した。(鳥潟かれん) 

【写真説明】シャッターが下り、休業を知らせる紙が張り出された旭川市の繁華街「3・6街」のビル=16日午後7時25分(宮永春希撮影)
(2021年5月17日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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