動物と、人と、しあわせと。
獣医師、動物看護師、しつけインストラクター、動物病院従事者が中心となって、専門的視点に立って、人と動物の愛を護る活動をするNPO手と手の森と旭川市動物愛護センター『あにまある』からお届けする動物と人とのお話です。
Vol.50 「五つの自由」から考える室内飼いの猫に必要なもの
動物福祉の国際的な基準として、人間が関わる全ての動物に配慮すべき5項目が唱えられています。
①飢え、乾き、栄養失調からの自由
②不快な環境からの自由
③痛み、怪我、病気からの自由
④恐怖、不安からの自由
⑤動物本来の行動様式を表 現できる自由
動物は種によってそれぞれ正常な行動レパートリーがあり、それに沿った行動をすることがその動物にとって最も自然であり、幸せを感じることができます。
猫が安全な室内で、しかも猫らしく生き生きと生活するためには、猫の習性をよく理解した上で、行動レパートリーを展開できるような環境を整える必要があります。もちろんしたいことを何でもさせるわけにはいきませんが、飼い主にとって不都合でなく、他人に迷惑をかけない形で、できるだけ自然に近い行動をとれるように工夫してあげることが必要です。
猫が問題行動を起こすと飼い主さんは猫に原因があると考えがちですが、実はニーズが満たされていないために生じていることの方が多いのです。特に本能的な行動には適切なはけ口を作っておいてあげることが大切です。室内で十分にニーズが満たされてこそ、猫は飼い主や同居動物とも仲良く、そして幸せに暮らせます。
協力:緑の森どうぶつ病院
旭川市旭神3条2丁目
TEL 0166-60‒5866
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